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◇謝謝!南大卒業生のみなさん◇
~ブログ10周年・「教学相長ず」を体験~ |
元南京大学日語科教師・斎藤文男 · 2018-04-23 |
タグ: 南京大学;卒業生;中日交流 | 印刷 |
◇“良い学生”より“良い人間”に◇
12年間で最後の授業を担当した4年生が、私の授業の感想を報告してくれたことを「ゆうLUCKペン」に書いた。私の授業は本筋から離れて脱線する場合が多い。その時も、花の色はなぜ色々あるのか。桜の花はなぜ散るか。網にいる蜘蛛はなぜいつも下を向いているのか、などを学生に質問した。授業中にこんな質問をされたことがなかったので、誰も答えられなかった。
花の色はその季節に飛んで来る昆虫が見える色に合わせて開花し、受粉を助けてもらう。桜の花は受粉が終わらなければ、雨が降っても風が吹いても決して散らない。受粉が終われば風がなくとも、花の役目は終わったので、人が“しづ心なく花の散るらむ”と惜しんでも静かに散って行く。蜘蛛が常に下を向いているのは、天敵の鳥や大型の昆虫に襲われた時、素早く下に落ちて逃る準備をしているのだ、と説明すると学生は「そうだったのか!」と納得してくれた。
この脱線話から毛黎黎さん(女性)は「私は花の色がどうして色々あるのかや、桜の花がなぜ散るのかなどについて、これまでまったく考えたことはなかった。蜘蛛が下を向いていることなどにも関心がなかった。しかし、このことは人間として大切なことなのではないのか」と考えたという。これまでは教科書にあることを先生が説明して、それを暗記して試験の時に答えを書けばよかった。点数の高い人が良い学生となった。「これからは“良い学生”よりも“良い人間”になりたい」と私の授業への感想を書いてくれた。
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