表3 2003年、2004年の一部諸国の国防費の比較(金額単位 億ドル)
アメリカ ロシア イギリス フランス 日本 中国
注 表内のデータ出所は上述諸国の公表した国防レポート、財政レポートまたはその他の政府文書である。2003年の平均為替レートは1ドル対人民元8.2770元である。2004年11月20日は1ドル対人民元8.2765元である。
表4 一部諸国の2003年度国防費のGDPと財政支出に占める比率
国 アメリカ ロシア イギリス フランス 日本 中国
GDPに占める比率 3.60 2.64 3.11 2.22 0.99 1.63
財政支出に占める比率 16.20 14.69 8.10 11.00 6.06 7.74
表5 2003年の中国の年度国防費構成(金額単位 人民元億元)
人員の生活費
活動維持費
装備費
軍需品の発注と買付け
中国は兵器・装備およびその他の軍需物資の買付けと供給を保障するため、国による軍需品発注制度を実行している。軍隊の兵器・装備の買付けは総装備部が担当し、軍隊の物資買付けは総後勤部が担当する。
2002年10月、中央軍事委員会は「中国人民解放軍装備買付け条例」を公布した。2003年12月、総装備部は「装備買付け計画管理規定」、「装備買付け契約管理規定」、「装備買付け方式と手続き管理規定」、「装備製造部門資格審査管理規定」、「同種装備集中買付け管理規定」などの関係規則を公布したが、これらの規定は装備買付けの新しい法規体系を構成している。ここ数年来、装備買付け活動は政府買付け制度の基本的原則に従って、軍需品業種部門の限界をちくじ打ち破り、競争メカニズムを導入し、軍需産業以外の国有企業とハイテク民間企業の軍需品市場進出を支持し、買付け方式は以前の指定買付けから、公開入札、招待入札、競争的交渉、価格問い合わせ買付けなど多種の形式に加速的に転換し、装備買付けの全体的効益を高め、部隊が合理的な価格で性能が先進的で、質が優れ、セット化する兵器・装備を買い付けるのを確保している。軍用コンピューターとネットワーク設備、車台、発電ユニット、遮蔽物などわりに広く使われる設備は、各部門の単独買付けから全軍の集中買付けに変わった。
2002年2月以来、総後勤部は中央軍事委員会が転送を認可した「軍隊の物資・工事・サービスの買付け深化に関する総体案」に基づき、相次いで「軍隊物資買付け管理規定」、「軍隊物資入札管理規定」、「軍隊物資買付け契約管理規定」、「軍隊物資買付け機構価格審査活動管理規定」、「軍隊の物資・工事・サービスの集中買付け資金支払いに関する暫定規則」、「軍隊物資・工事・サービス買付け会計検査規定」を公布した。軍隊の物資買付けは政府による買付けの基本的原則に従い、軍隊の建設管理の実際と結びつけて、段階別管理体制と集中的買付けを主とするパターンを全面的に実行し、経費、計画、買付けの分業・協業、相互制約の運行メカニズムを健全にし、物資買付けの規範化、専門化、情報化のレベルとスケール効益を高めた。部隊の建設、訓練、科学研究、生活などに必要な24類、1000余種の物資は、すでに集中的買付けの範囲に組み入れられている。年度予算に組み入れ、買付け金額が定額基準を超える買付け項目は入札による買付けを実行し、本部の物資入札定額基準は50万元である。
国防資産の保護
国防資産とは国が武装力建設、国防科学研究・生産およびその他の国防建設に直接投入する資金、使用のために分け与える土地などの資源ならびにこれらによって形成される国防の目的に用いられる兵器・装備、設備・施設、物資・器材、技術成果などである。軍隊が法によって占有、使用、管理する国防資産は軍隊の国有資産に属する。国は「中華人民共和国国防法」、「中華人民共和国軍事施設保護法」、「中華人民共和国軍事施設保護法実施規則」を公布し、軍隊は「軍隊国有資産管理規定」など30余りの軍隊国有資産管理の規則と制度を制定して、国防資産の保護活動を法制化の軌道に乗せている。
各クラスの人民政府と軍事機関は共同で軍事施設を保護し、国防利益を擁護している。総参謀部は国務院と中央軍事委員会の指導の下で、全国の軍事施設の保護活動を主管している。軍区の指揮機関はその管轄区域内の軍事施設の保護を主管している。軍事施設を設置しているところでは、県クラス以上の地方人民政府と当地に駐屯している関係軍事機関が共同で軍事施設保護委員会を設立し、その事務機構を省軍区(衛戍区、警備区)、軍分区(警備区)および県、自治県、市、市轄区の人民武装部に置いている。国は分類して保護し、重点を確保する方針にしたがい、軍事保護区、軍事管理区を画定して軍事施設を保護し、軍事保護区、軍事管理区に入れていない軍事施設に対しても適切な措置をとって保護する。作戦工事、軍用飛行場の飛行の安全を保障する空域、軍用通信、送電線路、軍用油送・給水パイプライン、軍用無線固定施設の電磁環境、国境警備施設、軍用測量標識物を法によって保護している。
総後勤部に全軍の国有資産管理活動を主管する軍隊国有資産管理局が設けられている。軍隊の国有資産は統一的に指導し、段階別に責任を負う管理体制を実行し、各クラスの後方勤務機関は同級の国有資産の管理活動を主管する。ここ数年来、全軍は財産調査登録および実物資産の価格計算と管理を行い、財産権登録、資産評価、資産報告制度を実行し、国有資産の管理行為を効果的に規範化させ、軍隊の国有資産の安全と完全無欠、合理的配置、効果的使用を確保している。
第五章 兵役制度
中国は義務兵と志願兵を結び付け、民兵と予備役を結びつける兵役制度を実行している。法によって兵役に服し、民兵組織に参加することは中国公民の光栄な義務である。
兵役事務管理体制
中国の兵役事務は統一的に指導し、段階別に責任を負う管理体制を実行している。全国の兵役事務は、国務院、中央軍事委員会の指導の下で、国防部が担当する。各軍区は国防部から与えられた任務にしたがって、本区域の兵役事務を処理する。省軍区(衛戍区、警備区)、軍分区(警備区)と県、自治県、市、市轄区の人民武装部は、同級人民政府の兵役機関を兼ね、上級軍事機関と同級人民政府の指導の下で、本区域の兵役事務を処理する。機関、団体、企業・事業体と郷、民族郷、鎮の人民政府は、兵役法の規定に従って兵役事務処理の任務を履行する。兵役事務は、人民武装部を設けている部門では、人民武装部が処理し、人民武装部を設けていない部門では、ある部門を指定して処理させる。
現役
現役は公民が兵役義務を履行する主な形式である。人民解放軍で現役に服する公民は現役軍人で、現役将校、文職幹部、現役兵士が含まれる。
現役将校は小隊クラス以上の職務あるいは初級以上の技術職務を任命され、相応の軍隊階級を授与された現役軍人で、軍事、政治、後方勤務、装備、技術の将校に分かれる。「中華人民共和国現役将校法」は次のように規定している。現役将校の主な供給源は優秀な兵士および普通高校の卒業生が軍隊の大学と学校に入って学習し、卒業したもの、普通大学の卒業生、文職幹部から転任したもの、軍隊以外から募集した専門技術者とその他の人である。戦時は必要に応じて、兵士、召集した予備役将校および非軍事部門の人員を直接現役将校に任命することができる。
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