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政府白書  
2004年の中国の国防

民用船舶工業は引き続き急速な発展をとげ、造船量は長年連続して世界第3位を占めている。2003年に完成した造船量は641万積載トンを突破し、受け入れた新船発注書は1895万積載トンに達し、手持ちの船舶発注書は2623万積載トンであり、それぞれ世界の11.8%、18.9%、17.7%を占めている。民用船舶製品は90以上の国と地域に輸出されている。民用船舶工業の研究・開発と設計能力は大きく向上し、大型船舶を建造、修理する能力を備え、同時にハイテク船舶建造の面で新たな突破をとげた。

国防科学技術工業の対外協力

中国の国防科学技術工業は国際交流と協力に積極的に参与し、対外開放レベルを高めている。軍需品と民用品産業分野では、軍需企業・事業体が国内外の2つの市場を開発し、国内外の2種類の資源を利用し、国際分業に参与し、輸出品構成を最適化させ、製品の国際競争力を高めるのを奨励、支持している。国外の先進技術と管理経験を導入し、外資利用の質とレベルを高め、大手多国籍企業との戦略的協力を拡大し、国防科学技術工業の技術レベルを高めている。中国は友好諸国との防衛技術協力関係を発展させ、工業界の防衛技術の交流と協力を促進するのを高度に重視している。

中国の国防科学技術工業は慎重な態度で軍需品および関係ある技術の輸出に対処し、国の拡散防止政策と法律を厳格に実行している。ミサイルとその他の軍需品の輸出では、「中華人民共和国ミサイルおよび関係物件・技術輸出管制条例」、「中華人民共和国軍需品輸出管理条例」および相応の明細書を真剣に実行している。中国の軍需品輸出は受け入れ国の正当な自衛能力に役立つ、関係地域と世界の平和、安全、安定を損なわない、受け入れ国の内政に干渉しないという三原則を終始堅持している。

第八章  軍隊と人民

中国の国防は人民の国防であり、 中国の武装力は人民に属する。国の建設事業に参加し、努めて人民に奉仕することは、中国武装力の重要な職責である。軍隊と政府、軍隊と人民の団結を強化することは、人民に頼って国防と軍隊を建設する重要な政治的基礎である。

軍隊擁護・軍人家族優遇と政府擁護・人民愛護

軍隊と人民の一致、軍隊と政府の一致、軍隊擁護・軍人家族優遇、政府擁護・人民愛護は、国防と軍隊建設が一貫して堅持している基本的原則である。軍隊擁護・軍人家族優遇は地方の各クラス人民政府、社会団体と人民群衆が展開する軍隊を擁護し、現役軍人の家族と革命烈士の遺族を優遇する活動である。政府擁護・人民愛護は人民軍隊が展開する政府を擁護し、人民を熱愛することを主な内容とする大衆工作である。革命戦争の年代に形成された軍隊擁護・軍人家族優遇、政府擁護・人民愛護の栄ある伝統は、中国人民の解放事業の中で大きな力を顕示した。

新中国の成立後、軍隊擁護・軍人家族優遇の活動はちくじ法制化、規範化している。国務院は相次いで「革命烈士表彰条例」、「軍人慰撫優遇条例」、「退役義務兵配置条例」などを公布し、転業する将校の配置、将校配偶者の従軍と就職、軍人とその家族の合法的権益擁護に関する政策と制度を制定、実行した。国家民政部と解放軍総政治部は毎年元旦、春節(旧正月)、「八・一」建軍記念日の期間に共同で通知を出し、軍隊擁護・軍人家族優遇と政府擁護・人民愛護の活動を配置している。十数年来、60余万人の転業将校、700余万人の退役兵士、5万余人の傷痍身障兵士、90余万人の将校配偶者が妥当に配置され、10余万人の軍隊の離職休養と停年退職幹部および軍籍のない職員と労働者の政治・生活待遇が確保され、軍人子女の入学と託児所入りが優遇政策を享受している。2004年8月、国務院、中央軍事委員会は新たに改正した「軍人慰撫優遇条例」を公布し、慰撫優遇対象の慰撫補助基準を大幅に高め、慰撫優遇対象の優遇範囲と内容を拡大し、中国の国情に適合するように軍人慰撫優遇制度を整備した。

各クラスの人民政府は軍隊擁護・軍人家族優遇の活動を経済社会発展計画に組み入れ、国防と軍隊建設を積極的に支持している。自ら進んで部隊に協力して教育・訓練、戦備勤務、科学研究・実験、軍事工事建設などの任務をなしとげ、土地徴用、道路保障、物資供給などの活動をりっぱに行っている。また大学・高等専門学校、科学研究機構が科学技術による軍隊擁護、知力による軍隊擁護の活動を展開し、科学技術による軍隊擁護の拠点をつくり、部隊の各種人材育成を援助するよう動員し、社会の力を組織して、末端の部隊の生活条件改善を援助し、部隊への食糧、食用油、水、電気の供給を優先的に保証し、兵営区と生活区の建設と副食品生産拠点、文化活動場所の建設を援助し、100万人近くの軍人家族と烈士遺族の家庭が生活、住宅、医療面の困難を解決するのを援助している。地方の各クラス政府は軍人とその家族の合法的権益を守る活動メカニズムを構築し、末端の法院(裁判所)は軍隊に関わる訴訟案件の合議制法廷を設立し、各地の司法行政機関は軍人・軍人家族法律援助センターを設立し、法によって部隊将兵の法律に関わる問題を解決、調停している。ここ2年来、前後して300以上の市(県)、2000以上の部門、1000人以上の個人が軍隊擁護・軍人家族優遇活動の中で際立った成績をあげ、国と関係部門の命名と表彰を受けた。

人民解放軍は優れた伝統を発揚し、あくまで政府擁護・人民愛護を政治工作の重要な内容とし、それを部隊建設の総体的計画に組み入れている。各クラスの政治機関はいずれも専門の組織機構を設けて、政府擁護・人民愛護活動を展開し、軍隊・地方関係協調メカニズムを構築している。軍隊は地方の各クラス人民政府を意識的に尊重し、地方の活動を積極的に支持し、それに協力している。国の政策と法規を厳格に実行し、人民大衆を熱愛、尊重し、人民大衆の困難解決を援助している。十数年来、前後して貧困脱却扶助連絡所を4万カ所近く設け、370余万人の貧しい人が豊かになる道を歩むように扶助し、貧しい地区の小中学校を2800余校建設するのを援助し、50余万人の勉学の機会を失った児童がキャンパスに戻るのを資金面から援助した。

地方の人民政府の統一的指導の下で、軍隊と武装警察部隊の末端部門は駐屯地の末端部門あるいは組織と共に大衆的な精神文明創始活動を展開し、全国に前後してこの活動を行う場所を3万余カ所建設した。末端の諸部隊は駐屯地の文明都市、文明村・鎮、文明コミュニティー、文明業種をつくる活動に積極的に参加し、軍史陳列館、英雄中隊栄誉室、英雄・模範人物記念館を無料で社会に開放し、少数民族地区が民族教育、文化、医療・衛生事業を発展させるのを援助している。地方は部隊が軍隊と地方の両用人材を育成するのを支持し、末端部門が兵営の文化生活を改善し、豊富にするのを援助している。

国の建設に参加、それを支援

人民解放軍と武装警察部隊は、教育・訓練の任務を完成するとともに、国の建設諸事業に積極的に参加し、それを支援している。国と地方のインフラ建設に参加し、農業および貧困地域扶助の開発活動を支援し、科学技術の成果を譲渡し、技術の難関突破に協力し、人材育成を援助し、都市と農村の社会公益事業の発展を支持し、一部の軍事用地と兵舎施設を明け渡し、一部の軍用飛行場、港湾埠頭、通信回路を開放している。

総参謀部、総政治部は、全軍部隊の人が毎年国家建設に無償で参加する時間はいずれも平均8日を下回ってはならないと明確に規定している。軍事の必要を保証する前提の下で、一部分の車両、機械、艦船、航空機などの装備を使って地方の経済建設を支援することができる。工兵部隊は部隊ごとに国と地方の工事建設に参加することができる。武装警察の金鉱、森林、水力発電、交通の各部隊は、国の経済建設に直接参加している。

ここ2年来、軍隊は省クラス以上の重点工事490余件の建設を援助し、地方に科学技術成果を500余件譲渡し、100余りの軍隊病院は辺境、貧困地区の地方病院を対応支援し、測量・製図、気象、給水などの技術部隊は地方に大地調査測量、気象予報、水源探査などのサービスを提供し、軍隊の大学・学校と科学研究機構は地方の建設が差し迫って必要とする人材を10数万人育成した。武装警察部隊は国と省クラスの重点工事100余件の建設に参与し、三峡工事、「西部の電気を東部に送る」、「西部の天然ガスを東部に送る」、青海・チベット鉄道などの重点工事建設と地質探査、森林防火、道路建設に積極的な貢献をした

新中国の成立以来、前後して350余万人の軍隊幹部が地方に転業し、国家建設の諸分野で活躍している。改革・開放以来配置した150余万人の軍隊の転業幹部のうち、54万余人が各クラスの労働模範と先進工作者に選ばれ、1万余人が優秀な企業家に選ばれ、33万余人が県(処)クラス以上の指導職務を担っており、省(部)クラスの指導ポストについている人も少なくない。

災害救助に参加

災害救助への参加は、国と人民が軍隊と武装警察部隊に与えた重要な使命である。災害救助の中で、軍隊と武装警察部隊は主に災害に見舞われた大衆を救出し、転移し、分散させ、重大な危険状態、被災状況を排除するか抑制し、重要目標の安全を保護し、重要物資を緊急救助、輸送し、道路、橋梁を応急修理し、潜水作業、核・生物・化学救援、重大な疫病発生状況抑制、医療救護を行い、地方の人民政府に協力して被災者を救済し、復旧作業を進めるなどの任務を担っている。平時は関係ある被災状況、危険状況の情報を調査、掌握し、地方政府と情報通報制度を確立し、災害救助案を前もって制定し、災害救助訓練を展開し、軍隊の指揮大学に災害救助の専門課程を開設している。災害救助の中で、軍隊と武装警察部隊は軍隊と地方の共同指揮部の指揮と配置転換を受け入れる。

ここ2年来、軍隊と武装警察部隊は水害、台風、地震、森林火災、伝染病などの重大な自然災害の撲滅に120回以上参加し、経済的損失を100億元減らした。武装警察部隊だけでも延べ24万余人の兵力を出動させて、危険にさらされた23万余人の大衆を救出、移転し、260余万トンの物資を急いで運び出した。2003年、軍隊と武装警察部隊は地方の重症急性呼吸器症候群(SARS)との闘いを全力あげて支援し、3万7000人の将兵を出動させて駐屯地がSARSの感染を抑制するのを助け、防疫要員を組織して重点的な部位、場所と感染の多発地域で大面積の消毒を行い、18の軍隊病院が心を込めてSARS患者420余人を救助、治療した。軍事医学科学院は率先して国内でSARSの病原体を分離し、快速診断の試薬を開発した。各部隊から来た1383人の医務・看護要員は、北京の小湯山病院で50余日連続して奮戦し、心をこめて680人のSARS患者を救助、治療した。

大衆規律を実行

人民解放軍の大衆規律は、将兵全員が人民大衆と付き合う時に遵守しなければならない行為規範である。大衆規律を厳格に遵守することは、軍隊が人民の擁護と支持を獲得する保証である。

 

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