山東鄒平県聯華スーパーマーケットで農家から直接提供された野菜を購入する市民(董乃徳撮影)
止められない価格の上昇
今回のインフレの兆しは今年4月初めに最初に現れ、2009年末にマイナス成長率だった国内消費者物価指数(CPI)はひそかに上昇し、4月には2.8%まで上がった。大量取引商品の価格も値上がりし、非鉄金属、ダイズ、ゴム、鋼材などの価格はすべて短期間内に暴騰した。
7月に入って、大量取引商品の価格は年内2度目の値上がりを始めた。リョクトウ、野菜をはじめとする農産物の価格は年内最高を記録した。商務部の統計によると、当時の全国36の都市で7割近くの食用農産物が値上がりした。
7月から9月にかけて、CPIの上昇は緩やかになったが、国慶節(10月1日)以後、価格はコントロールできなくなり、現物から先物、卸売りから小売りまで、商品価格が全て上昇した。
この後の物価の動きについて、市場はおしなべてCPIが今後しばらくは依然として高水準を保つと見ている。
銀河証券のマクロ経済アナリストの張新法氏の見方では、物価上昇には「慣性」が現れる、つまり、物価は上昇に入ると慣性的に上昇する。張新法氏は、来年は一部の月間に物価が恐らく5%を突破し、年間CPIは4%以上になるかもしれないと予測する。
社会科学院のエコノミストの馬光遠氏は次のような考えを示している。最も楽観的な予測でも、少なくとも2年間のうちに、中国の物価指数が再び3.0%以内になるのはありえない。国内のマイナス金利と流動性過剰の影響の下で、価値保全の圧力によって遊休資本に何回も値上げブームが起こるだろう。来年上半期は物価上昇の集中する爆発期になり、季節的な要素と通貨流動性の滞りのため、厳しいインフレは来年下半期に現れると見られる。
国家統計局の盛来運報道官は、「現在、物価上昇の圧力は大きくなり、マクロ調整の圧力も高まっている。年間価格調整の目標を達成するにはより大きな努力を払わなければならない」と語った。
11月9日、国家発展改革委員会の張平主任は、「今年のCPIは3%ちょっとになる見込みである」と明かした。関連部門が年間CPIが「3%」以上になることを口を出したのはこれが初めてである。これより前、統計局、発改委の政府要員は何度も年間CPIは3%以内に抑えられるとの見方を示していた。
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