値札を取り替える江蘇省海安県のスーパーマーケットの店員(新華社撮影)
過剰な流動性
中国社会科学院数量経済・技術経済研究所の汪同三所長の見方では、今回のインフレは裏で操る者が多元化され、変数も多い。流動性の過剰、コストの上昇、需要牽引は今回のインフレを促進する要因である。
そのうち、本位通貨の超過発行、ホットマネーの流れ込みによる流動性過剰は多くの学者たちからの非難を呼んでいる。
今回のインフレの原因の1つは金融危機発生以来実行されている適度な通貨緩和政策で、中国の中央銀行がここ2年、大幅に発行した通貨が直接的に物価の上昇を促したと指摘した学者もいる。
この言い方は決して何の根拠もないわけではない。中央銀行のデータによると、今年9月末、広義の通貨残高は69兆6400億元に達したが、国家統計局が公表した1~9月のGDPはわずか26兆8660億元だった。
北京大学国家発展研究院の盧鋒副院長は次のように強調している。インフレは結局のところ通貨の発行量が多すぎた結果で、「刺激政策は確かにすぐに効果を収めるが、度が過ぎると不利な影響を及ぼすだろう」。
国内の流動性が過剰になっている状況の下で、米日などの先進国が次々と実行した通貨緩和政策は中国にインフレの衝撃を与え、インフレの圧力が大きくなった。
11月4日、米連邦準備制度理事会(FRB)は第2弾の量的緩和政策を発表し、米国の経済回復を刺激するため、2011年6月末までに6000億ドルの米長期国債を買い取ることにした。
米国の立場に立つと、FRBの第2弾の量的緩和政策発表は差し迫ったものであった。今年第3四半期、米国GDPは年初の同期比3.7%増という伸び率から1.7%に下落し、政府が発表した失業率は9.5%前後になった。さらに経済を刺激するため、米国は量的緩和政策を通じて、実体経済の流動性が引き続き高まることを期待している。
アメリカ人が喜んだのと同じ時、中国を含む新興経済体はより複雑で苦難に満ちた流動性の氾濫と高インフレという挑戦に直面せざるを得なくなっている。
盛来運氏は、外国の再度の通貨緩和政策によって流動性が大幅に高まり、原材料と農産物の価格を引き上げ、中国のインフレ予想が高まるとの見方を示した。
中国人民銀行の馬徳倫副行長(副総裁)は「米国は経済政策を制定する場合、自国に気を配るとともに、他国にも気を配るべきだ。経済の安定を維持する前提の下で通貨政策を制定すべきである」と批判した。
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