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◇南京大学外国語学院創立百周年記念事業◇
~作文コンクールでエッセーが2等入賞(上)~ |
斎藤文男(元・南京大学日本語科専家) · 2017-11-13 |
タグ: 卒業生;大学;中日交流 | 印刷 |
◇日本人の心を伝える落語◇
≪大学4年の時、落語の授業があった。当時の私にとって非常に難しかったので、内容はほとんど分からなかったが、先生の言葉だけが印象に残っていた。「就職で面接を受けたとき、日本語の授業で何を勉強しましたか、と聞かれたら、『落語』を勉強しました、と答えなさい」と。面白い話だと思い、半信半疑に思いながら卒業を迎えた。≫(R・Bさん=女性)
落語には日本人の物の考え方、風俗、習慣など多くの文化が含まれている。日本人の心を伝えようと六代目三遊亭圓生の「文七元結(ぶんしちもっとい)」をビデオで見せながら話をした。涙と笑いの人情物語で、学生は日本語に問題はなかったが、登場場面の背景や言葉遣いなどの理解に難しかったかもしれない。日本人ならすぐに分かる言葉や状況でも、日本語を外国語として学ぶ学生にはなかなか理解できない。言葉の言い換えや状況を説明するための予習には予想以上に時間がかかった。
浦口校舎の春(2006.3.21)
R・Bさんは日本留学時代に、同じ落語のビデオを見つけて購入して、改めて見たら、≪日本人の心が凝縮しているとしみじみ感じた。≫という。
彼女は中国に戻って、大学で日本語を教える立場になった。同じように落語のビデオを使って落語の「オチ」や日本人の人情などを説明しているが、学生は自分の時と同じように理解は今一つだという。≪知識が豊富になるにつれて、いつかは落語の魅力を分ってくれるでしょう。≫と作文の最後を締めくくっていた。教え子の教え子が落語を理解し、日本人の心や文化を伝えていけば、一時の政治や経済の動向に左右されない、強固な日中関係の基盤が必ず確立するだろうと思った。
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