文化体験こそが相互理解へのきっかけ
「爆買」という言葉が象徴するように、中国では日本へ旅行する人が増えている。しかし最近では買い物をするのではなく文化を体験する旅行スタイルが徐々に増えてきており、日本に対する意識も少しずつ変化してきている。安藤氏は、このことは非常にいい傾向だという。
「文化を体験するということは、相手に対する理解を深めるための重要なステップです。もちろんすぐに理解に繋がるとは言いませんが、ありのままの日本を見つめるきっかけになります」。
中国ではこのような変化が起こっているが、日本でも中国人に対する意識の変化はあると安藤氏は話す。同氏によると20年前は中国人と言えば不法滞在、アルバイトなどとイメージする人も多かったが、今ではお金持ちや旅行客のマナーの悪さについて思い浮かぶ人が多いという。このように中国人に対するイメージはまだあまり良くないが、中国人旅行客のマナーに関しては日本人もかつては同じだったという。
「振り返ってみると、1980年代に日本で海外旅行が民間に広まり始めた頃、日本人も同じようなことをしていたと言われています。中国でもあと10年もすれば、きっと問題ではなくなるでしょう」。
最後に、日本人の中国人に対する理解を促進するために行うべきことを、次のように語った。
「交流会をスポット的に開催するよりも、旅行などを通して中国の文化を体験してほしいです。中国と直接繋がりを持つことが、本当の中国を理解する第一歩になりますから」。