金融業に潜在する不動産による危険
実は、以上のコントロール政策は1年前の不動産政策の延長線上にあるものだ。
03年から08年上半期まで、不動産価格は上昇し続けたため、政府は不動産バブルの防止に手を尽くした。中央銀行は07年だけで金利を6回、預金準備金比率を10回も引き上げた。
しかし、08年下半期に世界的金融危機が発生したことで、コントロール政策を中止せざるを得なかった。08年11月、中国は金融津波に対応するための4兆元の投資刺激計画を出し、不動産業界も刺激策の恩恵を受けた。
不動産業界は金融業による極めて大きなサポートを得た。国家統計局のデータによると、不動産デベロッパーの昨年1月から11月までの資金源には、国内融資が9000億元近くあり、個人の有担保ローンが7000億元以上になり、不動産に流れ込んだ貸付金は1兆6000億元を上回り、08年同期より6割増えた。09年には、全国の銀行による新規融資9兆元のうち、約6分の1が不動産分野に流れ込んだ。
潤沢な資金のサポートがあって、09年の不動産市況は非常に活発で、経済低迷の影響を受けなかったどころか、大幅上昇を見せた。全国の中古住宅の取引量は過去3年の総和になり、各地の住宅価格が急騰し、一級都市の住宅価格はほとんど史上最高を記録した。それに「地王」(商品住宅用地の競売で非常に高い価格で落札した建築用地)が頻繁に現れ、不動産への投資ブームが再燃した。不動産市場は投機的な雰囲気に包まれ、バブルが膨らんでいることを各指標が警告していた。
実のところ、最も不動産価格の値上がりを望むのはほかでない地方政府だ。高額の財政収益をもたらすことができるからだ。だが、09年の不動産価格は、地方政府も恐れるところまでに上がったため、多くの市長は公の場で懸念を表明したほどだ。
09年の不動産値上がりでは、余りにも多くの銀行資金が不動産分野に流れた。一部のデベロッパーは銀行融資を建築工事の支払いなどに使わず、建築用地の購入に投入した。こうして、建築費の支払いを遅滞させただけでなく、土地の価格をも押し上げ、住宅価格の値上がりを激化させ、最終的には不動産貸付のリスクを増大させた。
「銀行が不動産貸付の面で直面する系統的リスクは大きいもので、期日どおりに貸付金が回収できなければ、不良貸付が増え、ひいては銀行業の動揺を引き起こすこともある」と中国社会科学院金融研究所の尹中立研究員は見ている。
これを受けて、政府は不動産市場対策を改めて考慮せざるを得なくなった。
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