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◇教え子たちから「我到中年」の報告⑥◇
~足踏みを助走に変え、素敵な主婦、妻、母に~
元南京大学日語科教師・斎藤文男  ·   2019-09-17  ·  ソース:北京週報
タグ: 南京大学;卒業生;中日交流
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去年、大きな夢を抱いて結婚して、勇気を持って出産した。育児のためきっぱりと仕事を辞めて、子供の教育問題のため、思い切って北京を離れて家族みんなで南下した。しかし、その「果敢」さには前のような快感はなかった。そうだ、育児も、引っ越しも、その果敢さの内面には、妥協という現実が隠されているのかもしれない。単純で自由な少女は、子供の「ママ」といいう呼び声が聞こえるだけで、幸せになる母親になっていた。少女時代はすでに過去形になったが、中年時代はまだ来ていない。私はその間のどこかで、足踏みをしているように思える。

「素敵な中年」になることを、とくに目指したわけではないが、この10年間、自分なりには懸命に生きてきた。しかし家庭にも、職場にも、家庭と職場の間にも、矛盾というものは常に存在するもので、私はそれを胸に秘めて家庭の主婦になった。それから1年間、仕事への熱情も忘れてしまうほど育児に専念してきた。やっと乳離れに成功し、化粧、髪染め、大好きだったコーヒーと再会したが、実は普通の主婦か少しおしゃれな主婦になっただけのように思う。これからは主婦というタイトルは変わらないだろうが、前よりは少し余裕を持って、行動することが出来るようになった。頭の中で生涯に実現したい事柄をリストアップ(バケットリスト)して準備したり、これまでの夢も大きく膨らんできた。リップスティック一つで、あるいは、コーヒー一杯で私を満足させるのか、それとも忘れていた少女時代の「初心」がまた私を興奮させるのか。

これからは足踏みを助走に変えて、少しずつではあっても、ゆっくりと前に進んでみよう。その結果、中年に到れば、素敵な主婦、妻、母になっていることだろう。

≪番外作文への返信≫彼女は私が帰国する一カ月ほど前に学生生活を終え、私の最後の卒業生だった。昨年赤ちゃんが生まれ、育児に苦労していたようだが、この7月に一歳となったことを知らせてくれた。「最近はママ、パパも呼べるようになり、10歩ぐらい自分で歩けるようになりました。」と報告してくれた。「育児は本当に辛いですが、子供が育っていく様子が面白くて、可愛くて、今はその辛さまで楽しむようになりました。」とのメール文にほっと安心した。子供を育てることは、親もそれだけ育つことを、私の体験などをお知らせしながら、返信メールを送った。

「北京週報日本語版」2019年9月17日

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