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◇四国・松山に南京時代の友人を尋ねる◇
~「坊っちゃん」「山嵐」を演じた仲間~ |
斎藤文男(元・南京大学日本語学部専家) · 2016-10-10 |
タグ: 日本人教師;南京;中日交流 | ![]() 印刷 |
◇天誅を下す機会なく黄泉へ◇
友人と私は、道後温泉の湯につかりながら話をすることはできなかったが、南京での2人の生活を回顧していたら、友人は山嵐で私は坊っちゃんのような役を演じていたのではないかと思えた。私は子供のころから、曲がったことと金持ちや権力者が大嫌いだった。そのため今日まで金にも権力にも縁がないまま、新聞記者を卒業した。友人は、「ならぬものはならぬ」とする山嵐のように正義感が強く、どんな相手にも臆することがなかった。
道後温泉土産物店内にある坊ちゃん(左)と山嵐(右)の人形
小説・坊っちゃんには、この他どのような世界にもいそうな人物が登場する。帝国大学の文学士を鼻にかけて、陰湿な性格の「赤シャツ」。上司にゴマをすっておべっかを使う「野だいこ」。事なかれ主義で、出世をまず考え、優柔不断な校長の「狸」。私と友人の南京生活の中にも、赤シャツや野だいこ、狸にそっくりな人物がいた。小説のように友人と2人で、天誅を下そうと相談したこともあった。2人ともがんになって帰国し、友人は早々と黄泉の国に旅立ってしまったので、実行する機会がなかった。(写真はすべて筆者写す)
「北京週報日本語版」2016年10月10日
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