農村の消費市場を始動
統計によると、中国は現在県と県以下在住の農村人口が7億人余りに達している。都市と農村の収入格差の逐次拡大にともなって、収入レベルが制約されているため、農村の消費も限られている。改革・開放の初期、都市の社会消費財小売総額と県・県以下の社会消費財小売総額はだいたい半々だったが、改革開放30年来、県・県以下の社会消費財小売総額はの消費財小売総額全体に占める比率は年ごとに1ポイント余り下がり、今では消費財小売総額全体の3分の1しか占めていない。このため、農村は消費拡大潜在力の最も大きな地域だと見なされている。
鄭新立委員は、農村消費の潜在的需要を現実の需要に転換し、それを中国の経済成長を引っ張る強い原動力に変えるには、農民の収入増加、農村人口の減少、都市人口の増加がカギとなると見ており、次のように語った。
「推測によると、1人の農村人口が都市人口に変わると、個人の消費は2倍増になり、増えた分の潜在的インフラと公共サービスには10万元の投資が必要となる。このため、年間2000万の都市人口が増えれば、20兆元の都市インフラと公共サービスの投資需要をもたらすことになる。このため、当面の最大の需要潜在力は都市化によるもので、農村人口の都市への移転を加速しなければならない。」
もちろん、都市化を進めるなかで、政府は都市に定住している農民の生活問題に気を配らなければならない。これに対して朔州市の委員会書記の田喜栄代表は、都市化を積極的に進め、都市と農村の二重構造を打ち破り、条件にかなう農民を都市に定住させ、住宅や仕事、社会保障を与えるべきだと見ている。
農村に住んでいる農民についても、政府活動報告は工業製品農村普及補助金の支給対象範囲の拡大を含む多くの政策と措置を打ち出し、今年は農村人口の消費能力を高めるため建築材料をも補助金の範囲に組み入れることになる。「農村の住民はほとんどがレンガ造りの家に住んでおり、レンガ造りを鉄筋コンクリートに変え、居住環境を改善することは、農民にとって良いことであり、農村の消費市場の拡大にとって、力強いけん引の役割を果たすだろう」と鄭新立委員は語った。
このほか、政府活動報告はまた農民の収入増を促すため農産物の最低買付価格を引き上げるとしている。「国務院が打ち出した一連の農民の収入増を促す政策と措施が実行されて、農民の収入が速やかに増え、農村の巨大な消費潜在力が放出され、今年だけではなく、『第12次5カ年計画』期間中、さらに2030年までは、中国の経済成長をけん引する最も大きな原動力となると信じている」と鄭新立委員は語った。
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