本誌記者 徐蓓
温家宝首相は今年の政府活動報告で、かなりの紙幅を使って経済発展方式の転換加速という2010年の中国経済発展の重要な命題を指摘した。この命題は両会期間に最も盛んに議論された話題の一つとなった。代表・委員たちは発言の中で、或いは取材を受けた際、ポスト経済危機時代に、経済成長方式転換は今後の中国経済の穏やかな発展にとって重要な意義がある、という同じ見方を示している。
輸出依存から内需拡大へ
中国の繊維製品の輸出現状について、浙江省紹興富潤グループ会長の趙林中全人代代表は、「浙江は服をつくる能力があるが、ブランド服のボタン1つよりも安い服もある。浙江は眼鏡をつくる能力があるが、ブランド品の眼鏡入れよりも安いものもある。100足の靴下の利潤がわずか1ドルという企業もある。このような発展に希望はない」と発言した。
長い間、中国経済は輸出によるけん引に甚だしく依存しており、対外貿易依存度は60%に達し、その上対外貿易輸出は主に大量の安価な労働力、大量の資源・エネルギーの消費に頼るものであるため、経済構造調整の加速は大勢のおもむくところである。今回の両会では、住民消費と内需拡大の促進が経済成長方式転換にとって良い解決策だと見ている代表・委員は多い。
全国政治協商会議経済委員会副主任、中国国際経済交流センター常務副理事長の鄭新立委員の話では、「もし3年ぐらいを費やして住民の消費率を今の35%から50%に上げ、15ポイント高めれば、毎年今は投資や輸出に用いている5兆元前後の商品を住民の消費にまわせるようになり、現在の社会消費財小売総額は約50%上昇することになる。これを実現すれば、われわれが打ち出した『人間本位』の科学発展観は着実に遂行されることになるだろう」。
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