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北京の美容業界に飛び込んで15年 ヘアスタイリスト・三島智之さん
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本誌記者 勝又あや子 · 2018-08-02 |
タグ: 美容;ファッション;中日交流 | 印刷 |
おしゃれになった中国人
北京に来てからの15年間を振り返って、「中国人はおしゃれになった」と三島さんは言う。「2003年の頃は、髪をただ一本に結んでいる女性が多かったですが、今は減りましたね。パーマをかける人も増えたし、カラーリングをする人もすごく増えました」。カラーリングの色も、以前は真っ赤に染めたりする人が多かったが、現在は同じ赤でも押さえた色合いが好まれるようになっているという。
男性もおしゃれになった。「5年前ぐらいから、服装にしろ、髪にしろ、おしゃれをするのがかっこいいことだと意識をする人が増えましたね。最近中国人でもひげを生やして、ちょっと服もおしゃれで、髪もちゃんとセットしている人がすごく増えた。15年間で考えると、男性の伸びのほうがすごい気がします」。2003年に北京に来た頃はよく女性から「かっこいい!」と言われたが、その頃と比べると周囲におしゃれな男性が増えて、「おかげでもてなくなりましたよ」と三島さんは笑う。
顧客の動きにも変化を感じている。三島さんの店でも、以前に比べると「日本人のスタイリストだから客がたくさん来る」という感覚はかなり薄れてきた。中国人が経営するヘアサロンの中にも、おしゃれでサービスのよい店が増えているのだという。「今は中国系が強いですね。日本人だからといって売れないですよ」。美容の世界でも、中国自主ブランド隆盛の時代が始まっているようだ。
日本人美容師にとっての新天地
とはいえ、三島さんは「日本に帰りたいと思わない」と言う。日本では美容室のサービスの値段がデフレを起こし、カットとカラーリングで5000円という安さでやらざるを得ないケースも多い。その状態に巻き込まれたくないからだ。「中国では、高ければ高いほど、信頼して来てくれる」と三島さんは言う。
北京に来た当初勤めていた店で働いていた美容師たちは、全員北京か天津に残っている。三島さんによれば、北京には今約30人の日本人美容師が働いているし、上海に至っては200人余りいる。三島さんのように自らヘアサロンを経営する美容師や、日系の店で働く美容師もいるが、一部では中国系の店に所属する日本人美容師もいるという。
「日本人の美容師はいくらでもほしい。日本でくすぶっている日本人の美容師はたくさんいる。技術職は海外に出るべきですよね」と三島さんは話す。今、日本にも店舗を作ることを考えている。「日本にお店があると、こっちに支店として人を呼びやすくなる」からだ。
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