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フィリピンは国内有識者の声に耳を傾けるべき
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· 2016-06-13 |
タグ: 南中国海;仲裁;政治 | 印刷 |
南中国海問題において、中比両国は2国間ルートを通じた南中国海紛争解決という正しい軌道に戻ることに積極的な姿勢を見せている。ドゥテルテ氏は大統領選立候補以来、2国間交渉で中国との南中国海における紛争を解決したいとの考えを繰り返し示しており、またフィリピンが南中国海紛争で安全保障上の同盟国である米国の支持に頼ることに反対し、外交面でより高い独立性を求めると見られている。
期せずして、中国外交部も6月8日に「2国間交渉により中国とフィリピンとの南中国海における関連紛争の解決を堅持することに関する声明」を発表し、中国が交渉を通じたフィリピンとの南中国海関連紛争の解決を引き続き堅持することを再び強調した。フィリピンの南中国海仲裁手続き申し立てに対する裁決を前にして、中比双方が2国間ルートを通じた海上紛争解決という共通認識に立ち戻ることは、仲裁手続き申し立てに対する裁定結果が中比関係をさらに損なうことを防ぎ、緊迫した南中国海情勢を緩和する上で貴重な機会を提供する。
現在、南中国海情勢は複雑に入り組み、中比関係は仲裁手続きにより停滞し、一部のよからぬことを企む域外国家が仲裁手続き申し立てを利用して中比関係を裂こうとそそのかし、地政学的な利益を得ようとしている。南中国海が再び大国の地政学的パワーゲームの場になる可能性もある。南中国海で騒乱が起これば、被害を受けるのは間違いなく南中国海沿岸国だ。現在のところ、仲裁裁判所は最終的な裁定を行っていない。新大統領の就任宣言前に裁定結果が出る可能性は大きくないだろう。そのため、中比が関係を改善し、裁定結果によって両国関係がさらに後退するのを防ぐために手を打つ余地が生まれている。
中比両国は両国関係を改善できる得がたいチャンスをつかまなければならない。中比関係の改善は必ずや南中国海の平和と安定という大局に役立ち、中国とASEANの「南中国海行動規範」交渉に向けた良好な外部環境作りに役立ち、「双軌思路」(デュアル・トラック・アプローチ。「直接の当事国が交渉と協議を通じて争いを適切に解決する」と「中国とASEANが南中国海の平和と安定を共同で維持する」という2つの路線構想)の実行にとっても役立つだろう。
「北京週報日本語版」2016年6月13日
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