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中華人民共和国外交部の二国間交渉により中国とフィリピンの南中国海における関係紛争の解決を堅持することに関する声明(全文)
  ·   2016-06-12
タグ: 南中国海;仲裁;政治
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(2016年6月8日)

中国とフィリピンは海を隔てた隣国で、両国人民の伝統的な友情は深い。中国とフィリピンが国交を樹立して40年余りにわたり、両国の関係は総体的に健全且つ安定的に発展し、各分野における協力は成果に富み、両国と両国の人民に堅実な利益をもたらしてきた。2013年1月22日にフィリピンが中比の南中国海の関連問題について一方的に仲裁を提起する前は、中比は南中国海で紛争があるが、南中国海の情勢は全体的に安定していた。中国の推進の下、中国とフィリピンの双方は対話メカニズムの構築、実務協力の展開、共同開発の推進などをめぐって友好的な協議を行い、ポジティブな成果を獲得した。

フィリピンは仲裁を提起してから、中国と交渉により南中国海関連の紛争を解決する大門を一方的に閉ざし、双方が達成した食い違いの管理・コントロールに関する共通認識に背き、一連の権利の侵害や挑発的な行動を採り、中国・フィリピン関係や南中国海情勢の急激な悪化を招いた。中国はフィリピンの一方的な行動に断固反対し、仲裁を受け入れず、参与しない厳正な立場を堅持し、二国間の交渉により中国とフィリピンの南中国海における関係の紛争を解決することを堅持する。

一、二国間交渉により南中国海の関連紛争を解決することは中国・フィリピンの共通認識であり承諾である

中国は直接の当事国と歴史事実の尊重を基礎として、国際法に基づき、交渉を通じて領土や海洋境界の紛争を平和的に解決するよう一貫して主張してきた。領土主権と海洋境界の画定する問題で、中国はいかなる第三者に訴える紛争解決方法も受け入れず、中国に強制するいかなる紛争解決案も受け入れない。領土主権問題は『国連海洋法条約』の調整範囲に属さない。海洋境界紛争に対し、中国はすでに2006年に『条約』第298条に基づいて排除性声明を行い、海洋境界の画定などの面に及ぶ紛争を『条約』が規定した第3者による紛争解決プロセス外に排除している。

二国間交渉により中国とフィリピンの南中国海における関連紛争を解決することは、中国政府の一貫した政策であり、中国・フィリピン間が達成させた明確な共通認識でもある。

1995年8月10日、中国とフィリピンが共同で発表した『中華人民共和国及びフィリピン共和国の南中国海問題とその他の分野の協力に関する協議の共同声明』は、「関係紛争は平等と相互尊重を基盤にした協議を通じて、平和的かつ友好的に解決しなければならない」、「双方は秩序正しく段階的に協力を展開し、最終的には交渉を通じて双方の紛争を解決することを承諾する」と規定している。その後、中国とフィリピンは一連の二国間文書を通じて、二国間交渉によって南中国海の関係紛争を解決するという共通認識を確認している。例えば、1999年3月23日の『中国とフィリピン信頼醸成ワーキングチーム会議共同コミュニケ』、2000年5月16日の『中華人民共和国政府及びフィリピン共和国政府の21世紀の二国間協力枠組みに関する共同声明』など。

2002年11月4日、中国は東南アジア諸国連合(ASEAN)の10カ国と『南中国海各方面行為宣言(DOC)』に共同で署名した。各国は『宣言』で次の内容を厳粛に承諾した。「1982年の『国連海洋法条約』を含む公認の国際法原則に基づき、直接的に関係する主権国家は友好的協議と交渉を通じて、平和的な方式で領土及び管轄権の紛争を解決し、武力に訴えない、又は武力で威嚇し合わない。」

その後、中国とフィリピンは一連の二国間文書を通じて、各自が『宣言』で行った厳粛な承諾を確認している。例えば2004年9月3日の『中華人民共和国政府及びフィリピン共和国政府の共同プレスコミュニケ』、2011年9月1日の『中華人民共和国及びフィリピン共和国の共同声明』など。

二、中国とフィリピンはフィリピンが提起した仲裁事項についてまだかつて交渉したことがない

フィリピンは次のように主張している。1995年以降、中国とフィリピン両国はフィリピンの仲裁申し立てで提示された事項について何度も意見を交換したが、紛争を解決できていない。フィリピンは交渉の継続に意義はないと判断する正当な理由があり、そのために仲裁を申し立てる権利がある。実際は、フィリピンの主張と完全に逆で、現在までに中国とフィリピン両国はフィリピンが申し立てた仲裁事項について、交渉したことはない。

中国とフィリピンは海上紛争の適切な処置について、再三にわたり協議を行ってきたが、関係紛争の解決を趣旨としたいかなる交渉も行っていない。中国はフィリピンに「中国とフィリピンの海上問題の定期交渉メカニズム」の構築を何度も提言しているが、フィリピンからの回答はない。2011年9月1日、双方は『中華人民共和国及びフィリピン共和国共同声明』を発表し、交渉を通じて関係紛争を解決することを再び承諾した。それ以降、中国はフィリピンに対し中国とフィリピンの信頼醸成協議メカニズムの再構築を何度も提言してきたが、フィリピンから反応はない。フィリピンのいわゆる交渉の継続に意義がないから仲裁を申し立てたという主張は、全く根拠に欠ける。

三、フィリピンが一方的に申し立てた仲裁は中国とフィリピンの交渉による紛争解決の共通認識に背き、『条約』の規定に合致しない

フィリピンが一方的に申し立てた南中国海仲裁は、中国とフィリピンが合意し、再々にわたり確認した二国間交渉を通じて関係紛争を解決する共通認識に背き、フィリピンが『宣言』で行った厳粛な承諾に違反し、「約定は必ず遵守する」原則の破壊であり、『条約』紛争解決メカニズムの乱用であり、『条約』を含む国際法に適合しない。

第一、フィリピンが一方的に仲裁を提起したのは、中国とフィリピンが二国間談判を通じて紛争を解決する協議に違反する。中国とフィリピンは関連する二国間文書と「宣言」で、談判を通じて関連紛争を解決することに合意し、また何回も確認した。上述の中比両国の各項目の二国間文書及び「宣言」の関連規定は相互に補い合って成し遂げ、中国とフィリピン両国に拘束力のある協議を構成した。両国はそれで談判の方式で関連紛争を解決することを選択した。フィリピンは自分の荘厳な承諾に背くことは、信義に厳しく背く行為である。

第二、フィリピンが一方的に提起した仲裁は、「条約」が規定した締約国による紛争の解決方法を自主に選択する権利を侵している。「条約」第15部第280条では、「この条約のいかなる規定も、この条約の解釈又は適用に関するいかなる締約国間の紛争を当該締約国が選択する平和的手段によって解決することにつき当該締約国がいつでも合意する権利を害するものではない」と規定されている。第281条では、「この条約の解釈又は適用に関する紛争の当事者である締約国が、当該締約国が自分で選択した平和的手段によって紛争の解決を求めることについて合意した場合には、この部に定める手続は、当該平和的手段によって解決が得られず、かつ、当該紛争の当事者間の合意が他のいかなるプロセスを排除しないときに限り適用される」と規定されている。中国とフィリピンの間では談判を通じて紛争を解決することを明確に選択し、更に仲裁を含む第三方による紛争解決する方法を排除した。故に、「条約」第15部規定した第三方による紛争を解決するプロセスは中国とフィリピンの間に適用しない。

第三、フィリピンが一方的に仲裁を申し立てたのは、『公約』第283条の意見交換義務に関する規定に違反した。中比がその仲裁事項について如何なる交渉を一度も行ったことがないという事実をフィリピンが無視し、故意に一般的な海洋の事務と協力について行った幾つかの交渉をその仲裁事項のために行った交渉として曲解し、また、これを口実にして二国間交渉の手段は尽きるところになったと称している。これは関係事実にまったく反しており、完全に下心があるのだ。

四、中国は引き続き交渉を通じてフィリピンとの南中国海における関係紛争の解決を堅持してゆく

中国は南中国海の平和と安定を維持する重要な力である。中国は一貫して『国際連合憲章』の趣旨と原則を遵守し、国際的法治を擁護・促進し、国際法を尊重・遂行しており、南中国海における中国の領土主権と海洋権益を断固維持すると同時に、交渉・協議を通じて紛争を解決することを堅持し、規則やメカニズムを通して食い違いを管理・コントロールすることを堅持し、互恵協力を通じてウィンウィンを実現することを堅持し、南中国海を平和な海、友情の海、及び協力の海に作り上げるために力を尽くしてゆく。

領土主権と海洋の境界画定問題で、中国はいかなる第三方に訴える紛争の解決をする方式を受け入れなく、いかなる中国に押し付ける紛争を解決する方案を受け入れない。中比二国間交渉の扉が始終として開いている。中国は歴史的な事実を尊重する基礎のうえで、国際法により、二国間の交渉でフィリピンとの南中国海での関係紛争を解決することを続けて堅持する。中国はフィリピンにただちに仲裁プロセスを推進する誤る行為を停止し、二国間の交渉を通じて中国・フィリピンが南中国海での関係紛争を解決する正しい道に戻るよう促す。

(新華社より)  

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