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中華料理について語ろう
本誌記者・植野友和  ·   2022-05-05  ·  ソース:北京週報
タグ: グルメ;中華料理;中日交流
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旅行好きの友人と話をしていると、しばしば話題に上るテーマがある。

「今まで食べた中で、どの国の料理が一番おいしいと感じたか?」

よく名前が挙がるのはタイ、ベトナムなどだが、「やっぱり日本料理が最高」と答える人もいる。そこで自分の考えを述べると、そもそもこの問い自体、あまり意味がないものと捉えている。

食文化とはそれぞれの土地で、気候や風土、取れる作物、生活スタイルなどをベースとして脈々と育まれてきたものである。また、味付けや料理法などは、そこで暮らす人々の好みに合っているからこそ、今日まで受け継がれている。外国人からしてみれば奇妙に思える料理でも、現地の人々にとって愛すべきソウルフードであるのなら、それは立派なご当地グルメ。食文化とは「百花斉放」(さまざまな花が咲き誇るように多様であるさま)、それぞれに独自の魅力があり、どの国の料理が最も優れているという話ではないのである。

さて、筆者は現在、中国に暮らしているわけだが、日々の食事は言うまでもなく、世界三大料理の一つである中華料理だ。そう書くと、読者の皆さまの中には麻婆豆腐や青椒肉絲、餃子にチャーハンといったものを思い浮かべる方もおられるのではなかろうか。

そのイメージは、正しくない。日本で気軽に食べられる中華料理とは、そもそも中国で食されているあまたのメニューのうち、ごくごく一部に過ぎない。そして、味付けが全く違う。日本ではしばしば「本格中華!」などと称する店を見かけるが、そういう所の料理でも、やはり日本人の好みに合わせてアレンジされているのが普通である。

さらに、より根本的なことを言えば、中華料理というカテゴリー自体、かなり乱暴だと感じる。中華料理というくくりの中には、全国各地のありとあらゆる食文化が含まれる。最もポピュラーな中華料理の区分法としては、山東料理、江蘇料理、広東料理、四川料理、浙江料理、安徽料理、福建料理、 湖南料理の「八大菜系」(八大料理)があり、特徴はそれぞれ異なる。

たとえば、四川料理と湖南料理は辛さが決め手だが、湖南料理は「鮮辣」、つまり目が覚めるような辛さであるのに対し、四川料理はトウガラシに加えて花椒を大量に使うことから、しびれる辛さの「麻辣」が醍醐味だ。また、海に面する福建省の料理は海鮮が多く、あっさりした味わいであるのに対し、内陸に位置する安徽省の料理では川魚が好まれ、その臭みを消す意味合いがあるのか、色合いも味付けも濃厚である。そして、実際には「八大菜系」の他にも地方料理はごまんとある。広東省における潮汕料理や客家料理など、一つの省の中に幾つも異なる食文化が存在することも珍しくない。外国人である自分が全てを把握することは難しく、筆者は日々、レストランや出前、はたまた会社の食堂で、料理名を知らぬままに中国各地のグルメを味わっている。

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