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中国、グルメドキュメンタリー「人生一串」大ヒット その理由は?
  ·   2018-07-30  ·  ソース:
タグ: グルメ;ドキュメンタリー;社会
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動画共有サイト・Bilibili(ビリビリ)と、旗幟文化伝媒が共同でプロデュースしたグルメドキュメンタリー「人生一串」は全6話の配信がすでに始まっている。同ドキュメンタリーは中国では串焼きがどれほど人気か、中国各地にはどんな特色ある串焼き文化があるかを紹介しており、6月20日から配信が始まって以降、驚愕の再生回数を記録しているほか、コミュニティサイト・豆瓣における評価も8.9ポイントと、口コミが急降下してしまった「舌で味わう中国3」を大きく上回っている。 杭州日報が報じた。

製作者が二次元文化を熟知していることが人気の秘訣

「人生一串」が大ヒットとなっているのは、中国では初めて動画共有サイトがグルメドキュメンタリーをプロデュースしたことと密接な関係がある。これまでは、ドキュメンタリーというと、大半がテレビ局によってプロデュースされていたものの、今回はBilibiliがプロデュースし、製作の時点から、これまで積み上げてきたユーザーのビッグデータを深く解析し、これまでとは異なるターゲットの絞り方をした製作ガイドを行ってきた。

第3話の「来点解薬(肉を食べ飽きた人にとって野菜は解毒のような存在のことを指す)」、第4話の「牙的抗議(歯ごたえのいい食材の串焼き)」、第5話の「骨頭骨頭(骨付き食材の串焼き)」などのタイトルを見ても、「人生一串」はBilibiliのスタイルを貫いていることが分かる。おどけた文体、リズム感ある解説、ナレーションはテレビ局のアナウンサーのようではなく、親しみのあるハスキーボイスで、それらの組み合わせは、ビールと唐揚げ、肉の串焼きにクミンのようにぴったりだ。

また、Bilibiliは「弾幕」呼ばれる、画面上にリアルタイムコメントを表示する機能を持つことが売りで、それは、90後(1990年代生まれ)や00後(2000年代生まれ)に人気の娯楽スタイル、交流スタイルとなっている。「人生一串」の弾幕を見ると、ストーリーに組み込まれている笑いどころ、突っ込みどころにネットユーザーらが強く反応しており、製作者が視聴者の「ツボ」をしっかり押さえていることに敬服させられる。その各シーンやナレーションには、わざと突っ込みどころが作られているようで、それは、これまでのドキュメンタリーでは成しえなかった技だ。

極端な表現方法はなく、「食べ物」が主役の座をキープ

「人生一串」の主なターゲットは若者であるものの、二次元(アニメ・漫画・ゲームなどを総じたジャンル)文化を強調しすぎることはなく、中国全土の約30都市に足を運んで、しっかりとした取材を行っている。そして、紹介されている内容を見ても、極端に感情に訴えたり、くどくどしていたりすることはなく、串焼きの現状をリアルに伝えている。その主役はもちろん「食材」で、全ての内容がテーマから離れることはなく、人文や地理的なことを紹介するのに無駄に時間を費やしていない。串焼きの店を出している店主や客らの声も紹介され、リアル感が増し、見る人が親しみやすい内容もあるものの、うまくリズムが制御され、一言二言にうまくまとめられている。

インターネットプラットフォームがドキュメンタリーのモデル転換を促進

16年に、故宮で文物修復をする職人にスポットを当てた「我在故宮修文物」が、Bilibiliで大人気になり、最近では、「国家宝蔵(NATIONAL TREASURE)」、「假如国宝会説話(Every Treasure Tells a Story)」、さらに「人生一串」がヒットしている。現在のドキュメンタリーはインターネット、新技術のサポートの下、若者の別の一面を映し出している。

「中国ドキュメンタリー発展研究報告(2018)」によると、ある統計では、17年、中国ではドキュメンタリーの製作に合わせて前年比14%増の39億5300万元(約644億3400万円)が投じられ、年間総生産額は同比15%増の60億2600万元(約982億2400万円)に達し、ニューメディアが中国のドキュメンタリー市場において3番目に大きな主体となっている。

陳英杰氏は、「今後、インターネットがドキュメンタリーを放送する非常に重要なプラットフォームになるだろう。なぜなら、ドキュメンタリーは通常、情報量が多く、インターネットなら、いつでも何回でも見ることができ、情報を十分に取得できるから」との見方を示す。

また、業界関係者は、「クオリティーの高いドキュメンタリーが現在、若者を含む多くの人の硬直的需要(値段の影響を受けにくい需要)になっている。そのような需要が、プラットフォームに影響を与え、中国のドキュメンタリー業界の市場化、産業化が進むだろう」と予測している。(編集KN)

「人民網日本語版」2018年7月30日

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