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中国人記者が日本の「走る高級レストラン」を体験
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· 2017-03-30 |
タグ: 中国人記者;日本列車;中日交流 | 印刷 |
現在、「52席の至福」は週末限定で、ブランチは1万円、ディナーは1万5000円。リピーターを呼び込むために、メニューは3ヶ月に1回変えている。それに合わせて、予約も3ヶ月分ごと販売される。春や秋など旅行シーズンになると、オンライン予約はすぐにいっぱいになるという。利用者は中年から高齢の夫婦が多く、海外から来た鉄道ファンもいるという。
「52席の至福」は、西武鉄道と秩父市が共同で開発したプロジェクト。秩父市は人気観光地ではないため、その経済に活気を注入しようと、市が西武鉄道と積極的に交渉し、「52席の至福」を開通させた。車内では秩父市の観光動画がずっと流されている。一人でも多くの乗客を呼び込もうと、同市は最近駅を改修し、さらに駅前に「西武秩父駅前温泉 祭の湯」を建設。駅は4月にリニューアルオープンする。
明治維新から戦後の高度経済成長期に至るまで、近代史上の日本の経済や社会の飛躍的発展は鉄道の建設と密接に関係してきた。そして、日本人は鉄道や列車に対して特別な思いを抱いている。今でも、新幹線の開通は、その都市や街では一大事となり、駅を中心とした商業センターの建設や観光客の到来が地方経済に活気を注入している。
また、少子化や人口が大都市に密集しているのを背景に、日本の多くの地方では鉄道の利用者が減少するという問題に直面している。廃止になる路線や廃駅ができるだけ出ないように、日本各地の鉄道会社は近年、「観光列車」を大々的に打ち出しており、「52席の至福」はその代表例と言える。観光列車と普通列車の最大の違いは、前者の乗客の主な目的がその「おもてなし」や車窓から見える美しい景色を楽しむためである点だ。そのような乗客にとって一つの都市から一つの都市へと移動するというのは重要な目的ではない。乗客に旅を存分に楽しんでもらおうと、観光列車のスピードは通常60キロ以下と、車より遅い。ある統計では、現在日本には観光列車が少なくとも34種類あり、薬膳料理を食べながら旅ができる列車やワインを楽しめる列車、走る美術館、豪華スイーツが楽しめる列車、寿司が提供される列車、温かいおでんを食べながらお酒が楽しめる列車などバラエティに富んでいる。
最近、日本の多くの鉄道会社が豪華寝台列車も打ち出している。列車は改装され、乗客は豪華な洋式の部屋や落ち着いた雰囲気の漂う和式の部屋に宿泊できるほか、特別に設置されたガラスの天窓から星空を眺めることができるプランもある。しかし、「豪華」というだけあって、値段も張り、安いプランでも1泊10数万円、中には1泊125万円というプランもある。それでも、乗客数が限られている観光列車は、「限定版」の好きな日本人に大人気。運行中の観光列車全てが満員御礼の状態になっている。日本人の「列車経済」の開発は現在進行形なのだ。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年3月30日
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