「陣痛」は必要なコスト
中国経済を本当に見抜くためには、「改革は一時的な痛みを伴うが、改革しなければ長期的な痛みになってしまう」ということも分かっていなければならない。中央政府が打ち出した供給側構造改革は、中国の経済成長で長年にわたり蓄積してきた深いレベルの問題に対するもので、根本に着目し、長期的視野をもつ深いレベルでの改革である。一挙にしてできあがったり、すぐに効果が現れたりするような「特効性」はなく、改革の必要コストとして短期的な「陣痛」を必ず伴う。ただ単に、改革での「陣痛」を経済や社会が耐えられる程度に抑えることができるに過ぎない。
張永軍研究員は次のように述べている。「供給側構造改革が焦点を合わせているのは、現在中国の経済発展で解決する必要がある肝心な問題だ。まず、非効率・低効率の生産能力と過剰在庫をなくさなければならない。次に、デレバレッジなどで経済運営コストを削減し、効率を高める。また、弱い部分を補足して有効供給を拡大する必要がある。これらの長期的問題を解決するためには、国際経済環境の変化を踏まえると同時に、国内の要素・条件の変化状況と程度も深く分析しなければならない。これを踏まえてこそ各分野での具体的な措置を策定することができるのである。措置による効果がはっきりと現れるまで、ある程度の過程と比較的長い時間が必要で、『陣痛』は避けられないものになるだろう」。