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IMFの中国成長予想引き上げは潜在力を見極めた結果
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· 2016-05-06 |
タグ: 中国経済;IMF;経済 | 印刷 |
先ごろ、国際通貨基金(IMF)はアジア太平洋地域経済見通しの報告会を開き、2016年と2017年の世界経済成長率予想をそれぞれ3.4%と3.6%に下方修正した。一方中国の今年と来年の経済成長についてはこれまでの予想から0.2ポイント引き上げ、6.5%と6.2%に上方修正した。4月に発表されたIMFの世界経済見通しで、本年度経済成長予想が上方修正された国は中国だけである。
IMFが世界の通貨に対し最も影響力を持つのは、IMFが創設した「特別引出権」(SDR)制度だろう。IMFは2015年11月30日、人民元のSDR構成通貨入りを決定している。人民元の採用は通貨構成比重にも大きく影響を及ぼす。人民元の通貨比重は10.92%となり、ドルとユーロに次ぐ第3のSDR構成通貨となる。
IMFが中国経済成長予想を上方修正したことには、現実的に見て次の3つの重大な意義がある。
まず、IMFが中国経済の成長を有望視していることをはっきりと示した。これは、人民元が「特別引出権」五大通貨の1つになることを世界に向けて宣言したに等しい。人民元がIMF自身から高い評価を得ただけでなく、今後世界経済においてますます重要な国際建値・交換機能を果たすようになることを示しており、人民元国際通貨化の促進にとっても重要な推進作用を果たすだろう。
次に、中国経済に潜在的成長力があるとIMFが判断したことを示している。これは、中国経済衰退論を唱える世界の各種格付け機関に力強く反撃したに等しい。中国経済を正視し、力づけただけでなく、中国経済の活力と活気を信じるべきだと世界中の人々に告げるものでもあった。
さらに、アジア諸国はほとんどが経済的な発展途上国であり、その経済成長には多くのボトルネックと不確定要素が存在するものの、中国がアジアに位置する世界第2の経済体であり、自身の経済総量が膨大であるだけでなく、人口総数もアジア一であるため、1ポイント成長するだけでアジアないしは世界経済の成長を牽引することができる。とりわけ、アジア地域の中国経済に対する敏感度は絶えず上がっており、中国経済のリバランスは中期的に見てアジア地域の経済成長にとってプラスになる。IMFのアジア太平洋地域主管職員の話によると、アジア経済は信用不安や銀行レバレッジ強化などの問題を解決できれば、潜在的成長力を維持できるだろう。しかもアジアが実力を増強し続けさえすれば、世界経済のエンジンとしての地位を守ることができ、アジアの世界経済における役割もますます大きくなると見られる。IMFはアジア経済の潜在的成長力と中国のアジア経済発展における主導的地位を見極め、今後数年間の中国経済には比較的大きな潜在的成長力があると固く信じている。それゆえ、IMFの中国経済成長予測調整は情理にかなったものであり、決して盲目的でつむじ曲がりな判断ではない。
「北京週報日本語版」2016年5月6日
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