日本政府は先週、総額18兆6000億円の景気刺激策により、来年の消費増税後の経済に対するマイナス影響を相殺するとした。日銀の黒田東彦総裁も、日銀がさらなる量的緩和策を講じる必要性を強調している。しかしアナリストは、これらの措置が日本経済の成長を促すことはなく、政権が「アベノミクス」の3本目の矢(経済構造改革の推進)の実行を徹底することで、経済成長の持続的な原動力を獲得できると判断している。本紙の取材に応じたバンク・オブ・ニューヨーク・メロンのアジア太平洋地区会長のスティーブ・ラキー氏は、「アベノミクスが日本経済全体に対して力を発揮するためには、構造改革の徹底がカギになる」と述べた。
紹介関係者は、「政府は年初より大胆な金融緩和策、持続的な財政刺激策、経済構造改革を3大内容とするアベノミクスを講じ、日本経済が大幅に好転した」と指摘した。国際通貨基金(IMF)の最新の予測によると、日本の2013年の経済成長率は2%に達し、米国やカナダなどの先進国を大幅に上回ることになる。しかし日本経済の持続的な成長と消費の増加は、アベノミクスの1本目と2本目の矢による需要のけん引が原因だ。来年の消費増税と、これまでの景気刺激策の効果が薄れることで、日本経済は現在の成長率を維持できず、さらには大幅に低迷する可能性がある。
安倍政権は先週、18兆6000億円の景気刺激策により、来年の消費増税による経済への影響を覆そうとしたが、アナリストは、「今回の刺激策はこれまでに及ばず、景気刺激の効果は限られている。内容を見ると、今回の刺激策のうち政府支出は5兆5000億円のみで、全体に占める比率が前回の刺激策より大幅に低下している。震災後の復興支援に充てられる公共投資も、予想されていた金額には及ばなかった。今回の刺激策において、政府の消費・投資への取り組みが不足していることから、GDP成長率への貢献は内閣府の1%という予想には及ばない。現状を見る限り、今回の刺激策の貢献度は0.4%のみとなる。高齢者と各世帯を対象とする大規模な政府支出が直接貯蓄に回されるためだ」と指摘した。
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