中国の環境・省エネ市場の拡大に従い、近年、中日両国政府は環境・省エネ面の協力と交流を重視しつつあり、日本企業の対中環境ビジネス熱も高まってきている。先ごろ、中国の環境・省エネビジネスの環境について、記者が北京興僑国際工程技術有限公司の村井淳副総経理に取材した。
北京興僑国際工程技術有限公司の村井淳副総経理
——村井淳さんは現在、北京興僑国際工程技術有限公司副総経理を担当なさっていますが、仕事の主な内容についてご紹介いただけますか。
当公司では「輸出入業務の代行」を始め「環境保全機器、医療機器、教育用設備機材等の調達および納入」「工事入札業務の代行」等を主な事業として掲げております。
特に省政府等が計画し、発注する各種環境保全プロジェクト、例えばある汚水処理場の建設工事といったプロジェクトに関し、資・機材等の入札物件に応札し、最終的に落札した物件についてはそこに網羅された資機材、設備類を国内・外のメ-カー、販売店等より調達し、現場への導入・設置に至るまで責任を持って対応する、というような業務を行っているわけです。
このような中で私が現在担当している業務としては、①先進的な環境保全対策機器類を製造・販売している日本企業との連絡を密にし、当該環境機器類の円滑な調達が出来るよう側面からサポートする、②中国における環境保全機器類の販売・普及を考えておられる日本企業があれば、これらの内容を調査し、当公司が当該企業の中国側代理店として活動できないかその可能性を追求する、③日本企業の中で定着している優れた事務管理システム等を研究し、これらのシステムを当公司へ導入し、当公司の生産性向上に資する、等といったところが主な仕事でしょうか。
——ここ数年で、中国の環境問題には何か変化を感じましたか?改善しなければならない点はどんなところでしょうか。
昨年8月の北京オリンピック開催を前に、中国政府、北京市政府等による涙ぐましいまでの環境改善策の実施によって、明らかに北京を中心に都市部の大気汚染状況は改善し、水道水等の水質もよくなりました。現在、急ピッチで進められている北京市営地下鉄網の整備等にしても自家用車の利用者を大衆交通機関へと誘導する契機となり、あるいはまた車種ナンバーを基準にした自家用車の利用規制、さらには環境対策車の相次ぐ市場への 投入によって、空気中に吐き出されるNOx(窒素酸化物)、PM(粒子状物資)等の逓減に少なからず寄与するはずです。とりわけ北京の街並みは昨年、一昨年に比べ格段にきれいになったと思います。いつか私は車に同乗し北京市内に乗り出した時、公司の人に「北京的路上越来越干净!」と話をすると、とても喜んでくれました。きっと彼らも北京の発展を誇らしく思っているのでしょう。
北京以外の都市に住んだことがないため、短時間の旅行、出張等で見聞きした事柄を基に中国の環境問題を語る、等といったことは差し控えたいと思います。ただ世界遺産に 指定された山あり、谷あり、湖あり、別荘あり…といわれた広大なある景勝地を訪ねた時にも感じたことですが、湖を満たす水に清潔感が見られず、また宿泊したホテルの水道水にしても洗顔すらはばかるような状態であったため、北京のような大都市部に比べ、地方都市における水質改善対策に遅れが目立つようです。水は生命を育むための何よりの宝物です。今後とも安全でおいしい水の供給はもちろんのこと河川、湖沼、池等の水に対する浄化を進め、その透明度を限りなく高める努力をしていただきたいと思います。
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