----金融危機発生後、総理の外国訪問や国際会議への出席が以前より増えていることが注目されている。世界と協力して世界金融危機と戦う大きな舞台において、中国はどのような役を演じたか。
100年に1度のこの金融危機において、私たちは当初より、自国のみの保全を図ったり、自国のみで対応することのできる国は1つもなく、協力を強化し、同舟相救い、共同で対処することが必須であると考えた。まだ覚えているかもしれないが、私はアジア欧州会議(ASEM)に出席した際、これを「自信、責任、協力」の6文字でまとめた。
----年末を前に、民生分野の政策とその成果、また、来年度の民生分野の新計画について、ご説明いただきたい。
私たちの経済成長の最終目的は、日増しに高まる人々の物質文化的なニーズを満たし続け、人々の生活水準を高めることにある。つまり、民生改善だ。金融危機対策の全過程において、私たちは常に民生改善を重要な位置に据えてきた。
----世界的な金融危機以降、対外経済関係の中で一部の問題が注目を集めている。例えば、様々な形の保護貿易主義が激しさを増し、中国もその的となっている。また一部の国は人民元の切り上げを要求しているが、こういった困難な局面にどう対応すべきか?
私はかつて欧州連合(EU)首脳と南京での会談後に記者会見し、現在では保護貿易主義だけでなく、環境保護の名を借りた保護貿易が存在していると述べた。
----物価問題について、来年は経済の安定的な比較的速い成長維持と経済構造調整、インフレ予期管理の3つの方面を結合する必要性を提起しているが、インフレ予期とはどういう意味か?
経済の安定的な比較的速い成長維持は依然として中国の経済業務の最も大事な任務で、構造調整と経済成長方式の転換が中国の経済作業の重点である一方、インフレ予期管理は経済成長によりよい外部環境を創造すると同時に人民の利益を保護するものといえる。
----あるネットユーザーから、不動産価格が急騰し、たった1カ月で1平米当たり1000元上がっているとの声が届いている。不動産価格の問題について、伺いたい。
ネットユーザーがこの問題に関心を寄せていることは知っている。私も毎日ネットで多くのネットユーザーの意見を目にしているし、時には非常に厳しい批判も受ける。なぜなら、家というのは一人ひとりの利益に深くかかわるものだからだ。
----過剰生産能力の問題は歴史上繰り返し現れる、古くからある問題だ。現在の過剰生産能力は4兆元の景気刺激策と関係があるとの声もある。この問題をどう見るか。この古くからある問題を解決する方法はあるか。
過剰生産能力は、世界的な問題だ。需要減と市場萎縮による過剰生産がその基本的な原因だ。わが国にはこの一般的な法則に加え、構造的な問題もある。この問題を重視し、真剣に解決に取り組まなければならない。
----この1年、世界金融危機対策が私たちにとって主要課題となった。対策の過程は手に汗握るもので、パッケージプランは難局打破に全力を尽くすものだったと言うことができる。これを自ら経験された総理は、さぞ多くの感慨を覚えていることと思われる。総理は、中国の世界金融危機対策に何点をつけるか。最も満足のゆくものは?また、最も残念だったものは?
この1年は、手に汗握るものだった。思い起こすなら、昨年の冬頃、金融危機が突然わが国を襲い、企業は大きな困難を被った。