9:00ボランティアサービス開始

北京の有名な観光地としての什刹海は、1日あたりの接待観光客数が延べ10数万人にのぼる。銀錠橋でのサービスがスタートして間もなく、ステーションは好奇心満々の市民に囲まれた。ボランティアのサービス機能を十分に発揮させるため、銀錠橋ステーションでは自身の特徴と結び付けて、“景品付きオリンピッククイズ”の活動を展開し、多くの市民の情熱と参加を呼んだ。王凡さんはPR用のチラシを市民に配りながら、オリンピックの知識を詳しく紹介した。

王凡さんは記者にそっと、「これらのオリンピックについての知識は、私はもう何度も復習している。現場で市民に聞かれたら、すべて答えてなければならないから。今日の出来はまあまあ」と教えてくれた。

13:00 昼休み後、再び持ち場に

短い昼休みをとった後、王凡さんは再び午後の仕事に入っていく。市民達がサービスステーションの前で少しでも足を留めれば、王凡さんはほほえんで人前に進み出て、どんな助けが必要かを尋ね、そして市民達にオリンピックの知識を広める。午後に行った “おめでとうオリンピック” という活動では、国内外の観光客達が色とりどりの紙にオリンピックとパラリンピックに対する心からの祝福の言葉をいっぱい書いた。“2008北京オリンピックが最も輝かしい全世界の祭典になりますように”、“心のこもったサービスでオリンピックに参加し、北京を支持します”、“オリンピックは私達の夢を叶えてくれた、私達はオリンピックと共にある”などといった暖かい言葉が社会の各界のオリンピックに対する感想と祝福を表した。

15:00アメリカ人観光客に道案内

シティボランティアとして直面した最も多い問題は道を聞かれることだ。王凡さんが市民にオリンピックの知識を説明している時、あるアメリカ人観光客が道を聞いてきた。聞かれた“CHINNESE GATE”というところをボランティアはさっぱり知らなかった。この観光客は友人と待ち合わせた具体的な場所をはっきり覚えていなかったのだ。王凡さんはふと思いついて地図を取り出し、達者な英語でこの観光客が今いる位置を教え、再び友人と連絡をとってもらい、正確な場所を確かめたうえで、具体的な行き方を教えた。このアメリカ人観光客は王凡さんの英会話の見事さと仕事に対する根気強さを褒め称えた。

17:00 仕事を終えても気持ちは残る

1日目のサービスは終わった。この一日、王凡さんは55人の市民の質問を受けた。その中には、2人のアメリカ人と1人の日本人も含まれていた。彼女はむくんだ足をもみほぐしながら、記者に対して、「オリンピックに参加する市民の情熱に驚かされた。観光客らが私の仕事ぶりを認めてくれたことで、意欲が増した。これからも絶えず反省して改善し、さらに努力して北京オリンピックのシティボランティアとしての微笑みを国内外の観光客に伝えていきたい！」と笑顔で語った。

資料　オリンピック・シティボランティア

シティボランティアはオリンピック運動の発展のために労働や技術、時間を提供する人。その歴史は1896年にクーベルタンがギリシアのアテネで開催した第1回現代オリンピックにまで遡る。物質的な見返りを求めない一部の人々が、オリンピック組織と関係のある仕事に参与したことが始まり。

第二次世界大戦後、オリンピック運動の規模がますます大きくなったため、資金を節約するために大規模なボランティアが現れてきた。

1952年の ヘルシンキ大会がオリンピックにおけるシティボランティアの発展の一里塚になった。彼らは競技場の施設のメンテナンスや技術コンサルタント、ガイド、通訳・翻訳などの技術的な仕事を引き受け始めた。今回のオリンピックで初めて組織委員会がボランティアに対する育成訓練を始めた。

1992年のバルセロナ大会において公式報告の中で、シティボランティアに関して次のように明確に定義した。「シティボランティアとは、オリンピック開催中、無私の精神で参加し、その力を尽くし、協力し合って、自分に与えられた任務を全うし、報酬やその他のいかなる見返りも受けない人」だという。以後、シティボランティアのプロジェクトはオリンピック組織委員会の仕事の基本的な構成要素になった。

「北京週報日本語版」　2008年8月11日