社会主義の核心的価値観
改革開放以来、われわれは一貫して価値の角度から社会主義を認識・理解することを重視している。鄧小平氏は何度も、貧困は社会主義ではない、均等主義は社会主義ではない、二極化は社会主義ではない、民主がなければ社会主義はない、法律制度がなければ社会主義はないなどと指摘していた。江沢民氏は、人の全面的発展は社会主義新社会の本質的要請だなどと指摘していた。胡錦濤氏は、社会の公平と正義は社会主義制度の本質的要請で、社会の調和は中国の特色ある社会主義の本質的属性で、人間本位は科学発展観の核心だなどと指摘していた。2012年に開かれた第18回党大会は、社会主義の核心的価値観の育成と実践という根本任務を明確に提起し、富強・民主・文明・調和を提唱し、自由・平等・公正・法治を提唱し、愛国・勤勉・信義誠実・友好を提唱することを強調した。社会主義の核心的価値観は国家、社会、公民の三者に関わる価値基準を一体化し、社会主義のイデオロギーの本質的要求および社会主義制度の思想面・精神面での質的規定性を具現化し、現代の中国の精神を集中的に具現化しており、全人民共通の価値目標が凝集されている。社会主義の核心的価値観は、どのような国を建設するか、どのような社会をつくるか、どのような公民を育成するかという重要問題に深く答えている。社会主義の核心的価値観の育成と実践に当たっては、民族の復興の大任を担う新世代の育成を着眼点として、教育による手引き、実践による養成、制度による保障を強化し、社会主義の核心的価値観を社会発展の各方面に浸透させ、人々の共通感覚・行動習慣にする必要がある。
中華民族の優れた伝統文化の創造的転化、革新的発展を推し進める
習近平総書記は第19回党大会の報告で、「中華民族の優れた伝統文化の創造的転化、革新的発展を推し進め」なければならないと提起した。この言葉は中国の文化建設事業の発展に明確な方向を指し示した。いわゆる創造的転化とは時代の特徴と要請に合わせ、現在でも参考にする価値がある内容と古びた表現形式に改造を加え、新たな時代の内容と現代の表現形式を付け加え、その生命力を引き出すことだ。いわゆる革新的発展とは時代の新たな進歩や新たな進展に基づいて、中国の優れた伝統文化の内容を補完し、拡大し、充実させ、その影響力と感化力を強めることだ。創造的転化と革新的発展は緊密につながった不可分の総体だが、それぞれ重点があり、いくらかの違いがある。これは新たな歴史的条件の下で文化発展の法則に対する中国共産党の認識が新たな高みに達したことを体現している一方、必ず中華文化が新たな輝きに向かうように強力に推し進める役割を発揮するだろう。
「緑の山河は金山・銀山にほかならない」
2005年、当時浙江省党委員会書記だった習近平総書記が初めて「緑の山河は金山・銀山にほかならない」という論断を提起した。第18回党大会以降、習近平総書記はさらに繰り返しこの理念を強調した。例えば、2013年にカザフスタンを訪問した際、次のように述べた。「われわれは緑の山河を必要とし、金山・銀山も必要としなければならない。金山・銀山より緑の山河を必要としなければならず、しかも緑の山河は金山・銀山にほかならない」。「緑の山河は金山・銀山にほかならない」とは人間本位の民生思想を体現し、人間と自然の調和的共生の法則を順守し、党と政府が大いに推進するエコ文明建設の鮮明な態度と確固たる決意を生き生きと表している。この理念は発展理念と方法の大きな転換で、生産と生活の中で自然を尊重し、自然に順応し、自然を保護する理念に従い、資源の節約と環境保護という基本国策を貫徹し、エコ文明の建設を経済建設、政治建設、文化建設、社会建設の各方面と全過程に浸透させ、中国がグリーン経済に向かってモデルチェンジし、「美しい中国」を建設するよう導くことを求めている。第19回党大会の報告では「緑の山河は金山・銀山にほかならない」という理念を確立して実践しなければならないと強調している。
「美しい中国」を建設する
エコ文明の建設は、人民の福祉、民族の未来に関わる事業だ。第18回党大会報告は、「美しい中国」の建設に努め、中華民族の永続的な発展を実現すると述べた。第19回党大会報告はさらに、生態文明体制改革を加速し、「美しい中国」を建設すると述べた。「美しい中国」の建設は「中国の夢」の重要な一環だ。「美しい中国」の建設は、自然を尊重し、自然に順応し、自然を保護する理念に基づき、「金山銀山も必要だが、緑水青山も必要だ」「緑水青山とは、つまり金山銀山」という理念を堅持し、資源の節約と環境保護という基本国策を貫徹し、グリーン発展、循環発展、低炭素発展をより自覚的に推進しなければならない、ということだ。「美しい中国」の建設は、自然により広い回復できる余地を残し、農業により良い田畑を残し、子孫に青い空、緑の大地、清らかな水に囲まれた生産と生活の環境を残す、ということだ。「中国の夢」の実現が環境を犠牲にした代償であってはならず、経済発展と同時に、生態環境をしっかりと保護しなければならない。「美しい中国」の建設は、中国の長期的な発展に有利で、世界の持続可能な発展の推進を助け、さらに人類共通の夢―「美しい地球」の保護―の実現にも役立つだろう。「美しい中国」の目標は2035年に基本的に実現するだろう。