人口増加、各国にそれぞれの悩み

中国社会科学院人口・労働経済研究所の学者である鄭真真氏は、世界の人口総数増加を憂慮する必要はなく、注目すべきは各地域がそれぞれ直面する人口状況のほうだと述べている。

２００３年６月１日、インド・グジャラート州の村で、井戸に水を汲むために集まる人々　（新華社／ロータス）

国連の統計データによると、世界各地の人口増加率は異なっており、出生率が最も高いアフリカの平均出生率は４．６４、最も低い欧州はわずか１．５３だ。欧州や日本などの先進国が抱える課題は、出生率低下、高齢化、労働力不足である。最も顕著なのが日本で、「少子高齢化」がもう長年続いている。発展途上国が最も集中しているアフリカ大陸の人口は現在約１０億人で、２０５０年には２０億に達すると見られる。

中国人民大学人口・発展研究センターの顧宝昌教授は、人口の増加には慣性があり、現段階における世界人口の継続的増加傾向を覆すことはできない、としている。顧氏の分析によると、世界の人口情勢は数千年の間起きたことのない新たな変化の中にあるという。まず、出生率が継続的な低下傾向にある。国連の統計によると、世界の出生率はすでに１９７０年の４．４５から現在の２．４５まで低下している。出生率の継続的低下のほかにも、世界の人口はさらなる高齢化、都市化の加速、世界人口流動の激化といった新たな変化に直面している。