本誌記者 蘭辛珍
2月9日、国務院は常務会議を開き、食糧生産を支援する10項目の政策を発表した。2月10日には、温家宝総理主宰の食糧生産に関する全国テレビ電話会議が開かれ、中国における食糧安全問題が注目を集めている。
国家糧食局科学研究院の丁声俊教授の考えでは、これは、世界規模での食糧価格の高騰や今後の食糧増産に対する中国の憂慮を反映しているという。
2月初旬、国連食糧農業機関(FAO)は、以下のような警告を発表した。異常気象の影響を受け、世界の多くの国が食糧減産の危機にさらされる可能性がある。また、2月15日の世界銀行の発表によると、昨年から食糧価格が急騰しており、発展途上国で新たに、4400万人が貧困状態に陥ることになるという。また同時に世界銀行は、各国が手を携えてしかるべき措置を取り、食糧の安全を保証すべきである、と指摘した。
江蘇省宿遷駱馬湖南堤の臨時干ばつ対応工事現場で、揚水ユニット設備の設置とテストをする技術スタッフ(柏志勇撮影)
中国国内では、2010年10月以来干ばつ状態が続いていており、中国の農業部のデーターによると、2月9日までで、河北、山西、江蘇、安徽、河南など8つの省で冬小麦の作付面積11595万畝(1畝=6.7アール)が干ばつ被害に遭った。これは8省の小麦作付面積の42.4%にあたる。各関連部・委員会では長期化する干ばつへの警戒を呼びかけている。
丁教授によると、中国は一貫して食糧生産を重視しており、国務院は食糧生産を支援するための新たな措置を発表し、これによって自然災害による食糧減産の影響を最大限抑えることが出来る。
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