当面の食糧安全は保障されている
雪の積もった麦畑で小麦に水をやる山東省棗荘市孟荘鎮の農民 (新華社)
2010年中国は、干ばつと洪水という二重の自然災害による被害を受けたが、最終的に農業生産の面では、まれに見る深刻な自然災害を切り抜け、食糧生産量が2.9%増の5億4640万トンに達した。食糧生産量は7年連続で増加しており、現在、自国での食糧自給も間に合っている状態で、少しだが余裕もある。
国家糧食局によれば、当面、中国の食糧市場では供給が十分に足りている状況にあり、食糧の安全は保障されている。また、中国では食糧の需給バランスが取れており、備蓄レベルも高い。さらに同局のデーターによると、2010年の地方における食糧と食用油の備蓄量は、2005年比でそれぞれ26%、20.8%増であった。
中国における主要な食糧の中には、米、小麦、トウモロコシなどが含まれており、これらは国際市場での依存度が相対的に低い。農業部のデーターによれば、中国の水稲、小麦、トウモロコシの三大食糧の自給自足率は100%である。また、大豆以外の食糧品の輸入量が生産量に占める割合が長期にわたって5%を上回ったことはない。
2月17日、農業部によると、各地で干ばつ対抗策と灌漑に力を入れた上に、2月初めには大部分の地域で雨や雪が降ったため、一部の被害地域では干ばつ被害がある程度抑制され、ごく一部の地域での干ばつ状況は緩和されたという。
中国社会科学院農村発展研究所の研究員である李国祥氏は、「たとえ今年の小麦の生産量が減少したとしても、数量的にはそこまで多くはないだろう。せいぜい国の備蓄食糧を運用すればすむことで、輸入量を増やす必要はない」と語った。
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