また、安莉さん自身の多言語教育の体験から、父親に多言語教育についてインタビューするなどユニークな論文に仕上げました。卒論審査会では、修士論文並みと評価されて、92点と高得点になり、私も大変嬉しく思いました。

私は東京都生まれですが、戦争のため３歳の時、父の実家がある東北地方の山形県に疎開しました。ここでは朝鮮人と私たちのような疎開モンは厄介者で汚いと、差別され嫌われていました。「同じ人間なのに、なぜ差別されるのか」という疑問と不満が強くありました。この「疑問と不満」が、その後、職業に新聞記者を選択した原動力になったように思います。差別と偏見が解消されるよう35年間の記者生活で記事を書いてきましたが、残念ながら現在でも、それはまだ解消されていません。

結婚式用の朝鮮民族衣装で記念撮影  

安莉さんは、結婚するにあたって「内助の女王になる」と私にメールで約束してくれました。内助の女王になり、金成斌さんと二人で協力して、明るく楽しく幸せな家庭を築いてください。そして、３カ国の言語を駆使して、この地域が差別や偏見のない平和な社会になるよう尽力さることを期待しています。≫

朝鮮民族衣装で新郎新婦の入場