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トランプ政権誕生で不確実性に直面する日米同盟の未来
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徐伝博 · 2016-11-15 |
タグ: TPP;日米同盟;政治 | 印刷 |
トランプ氏が日米同盟にもたらす不確実性は、TPPだけとは限らない。トランプ氏はビジネスマン出身であり、実用主義を比較的重んじ、それほど強いイデオロギー色や冷戦思考を持っていない。選挙期間中、トランプ氏はオバマ大統領の「アジア太平洋リバランス」戦略に疑問を呈し、自分は「アジア太平洋縮小」戦略を取るとの意向を示していた。
選挙期間中、トランプ氏は在日米軍問題について日本に脅しをかけている。彼は、日本が大幅に経費を増やさないなら、在日米軍は日本から撤退すると発言し、さらに日韓両国は核兵器を保有しても構わないと述べていた。しかし10月中旬、トランプ氏の重要な懐刀であるマイケル・フリン氏は訪日中、「選挙を勝ち抜くには刺激の強い発言が必要だ。大統領になればあんな調子でやっていくわけではない」と語った。
こうした態度表明は或いはトランプ氏がアジア太平洋政策を推進すると同時に、日本側の感情を安定させることを狙ったものかもしれないが、トランプ政権誕生後に日米同盟が直面し、おそらく行われるだろう調整が引き続き日本の懸念を呼ぶことは必至だ。米国が日本から米軍を撤退させようとするとは限らないが、東アジア地域における勢力を徐々に縮小していく可能性は依然としてある。日本にとって、これは「諸刃の剣」になるだろう。米国の日本に対する制限は弱まるが、その一方で米国の日本に対する政治軍事面での支援も減り、日米同盟は一定程度弱体化するかもしれない。
トランプ氏の現時点の発言において、東アジア政治にかかわる部分はまだ比較的少ないため、この点について確定的な判断をすることは今のところ難しい。ビジネスマン出身のトランプ氏は外交経験がない。シンクタンクからの助けが得られるとはいえ、それでも様々な提言や献策からの選択はトランプ氏が行う必要がある。そしてその選択が、日米同盟の先行きを導いていくのである。
「北京週報日本語版」2016年11月15日
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