国際社会はポピュリズムがもたらす危機を警戒するべき

先ごろイギリスで行われたＥＵ離脱是非を問う国民投票や、米国の今年の大統領選挙で過激な立場を取る非典型的な政治的人物であるトランプがことのほか有権者の支持を集めている件など、国際的に注目されている話題に話が及ぶと、潘事務総長は、「現在、国際的に、一部の政治人物がいわゆるポピュリズムに訴え、または利用して、彼らの政治目的を達しようとしている。これは世界に不安定要素をもたらしている」と指摘した。

潘事務総長は次のような考えを示した。政治指導者は国際情勢と自国情勢に対して正確で客観的な判断をするべきであり、支持票を集めるために思いのままにポピュリズムを扇動したり、責任感に欠けた言論を行ったりしてはならない。現実に対して異なる意見を持っていたり、不満があったりしても、十分な柔軟性と辛抱強さを示すべきであり、しかも対話を通じて平和的な方法で問題を解決しなければならない。それこそが対立を処理し衝突を防止する最良の手段である。

潘事務総長はまた、「国際社会が困難や問題に直面した時に、各国指導者が賢明な判断と措置により自国を指導することを心から望んでいる。そうすることが、国連が様々な問題を処理する上で極めて大きな助けになる」と語った。