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安倍政権「教科書修正」の真の意図
劉和平  ·   2016-03-24  ·  北京週報
タグ: 教科書;安倍政権;政治
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日本政府は今年も教科書を修正した。例年と比べ、今回は変更の幅が大きかっただけでなく、変更の仕方も徹底していた。

日本の文部科学省が公表した高等学校教科書検定結果を見てみると、軍国主義侵略の歴史に関する記述で、中国や韓国など隣国が受け入れがたい変更が2カ所あった。

1点目は南京大虐殺の内容に関するもので、新版の高等学校教科書に犠牲者数が明記されず、「おびただしい数」に変更されたことだ。日本人は細部にこだわり、精確さを重んじるとされてきた。だが安倍政権はそれとはがらりと態度を変え、犠牲者数に関する数字はいっさい使わないことにしてしまい、反対により曖昧な「おびただしい数」という言い方を選んだ。

2点目は慰安婦問題に関するものだ。検定申請した教科書のうち慰安婦問題に触れたものは一部だけで、ほかの教科書は記載を避けた。しかも、慰安婦問題に触れた教科書も「女性たちが慰安婦として戦地に送られた」と曖昧な表記にとどまった。「送る」という言葉はプラスの意味もマイナスの意味もない中性詞であり、是非の区別や正義はない。「強制連行」とは雲泥の差である。

注意すべきは、今回日本の文部科学省が公表した高等学校教科書検定結果には例年と本質的な違いがある点だ。これまでは、日本の教科書のうちかなり多くの教科書がじわじわと段階的に侵略の歴史を否定し、ひいては美化していたとは言え、こうした行為は主として一部の右翼出版社と右翼歴史学者の自発的行為であった。同時に、日本の各学校は、それぞれの好みに応じて、こうした右翼史観を持つ教科書を選択することも選択しないこともできた。

しかし、今回公表された日本の高等学校教科書には、安倍政権の統一見解という「見える手」の存在が見て取れる。つまり、安倍政権はすべての教科書に政府の右翼的な立場とイデオロギーに沿うことを要求し、自主的な選択と自由な観点を禁じたのである。これによって非常に恐ろしい現象が起きている。それは、日本の右翼政権が政治手段で日本の学術と出版の自由に介入し、日本の教学の自主性に介入しただけでなく、日本国内に統一的な右翼歴史観とイデオロギーを作り上げようとしていることの証である。こうしたやり方は、第2次世界大戦前に戻ったかのような感覚を人々に抱かせる。

筆者の見るところでは、安倍政権が統一的な右翼歴史観点とイデオロギーを作るのは、実際のところ次に続く平和憲法改正と安倍政権の言うところの「正常な」国家になるために道をつけ、世論環境を整えるためである。

「北京週報日本語版」2016年3月24日

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