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秩序変動の中でも成果を上げた2016年の中国外交
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安剛 (本誌特約執筆者、盤古智庫学者) · 2016-12-16 |
タグ: 中国外交;一帯一路;政治 | ![]() 印刷 |
「ブラックスワン」と発展成果の共有
2016年、世界では多くの驚くべき出来事が起こった。イギリス国民投票でのEU脱退決定から、「政治の素人」トランプ氏の米大統領当選、そしてトルコのクーデター未遂からブラジル・ルセフ大統領の弾劾、韓国パク大統領の機密情報漏洩スキャンダル、さらには欧州の難民危機再燃や、テロリスト勢力によるシリア内戦のアレッポにおける戦局転換、「イスラム国」の命がけの頑強な抵抗に至るまで、予想不能で大きな衝撃をもたらす「ブラックスワン」現象が至るところで起こった。
これらの出来事は、中国の指導者に対し、世界が冷戦後の空前の大変局を迎えていることへの注意を促している。中国の指導者が最も注目しているのは次の4点だ。①トランプ氏の選挙戦勝利のよりどころとなった「アメリカ・ファースト(米国優先主義)」と「米国を再び偉大な国に」という価値理念が中国と中米関係にどのような影響を与えるのか。②トランプ氏の企業減税、対外関税強化、2国間貿易協定の仕切り直しなどの主張が実施された場合、既存の世界経済秩序がどの程度変わるのか。③米ロ関係はトランプ政権誕生後に明らかに改善するのか、それが中ロの戦略的パートナーシップと中米ロの三角関係にどのような牽引作用をもたらすのか。④欧州諸国で間もなく行われる一連の選挙の結果によってEUは解体するか。
もし米国と西側の内向き傾向が今後数年の趨勢になるのであれば、中国は世界でより大きな役割を発揮するチャンスを迎えるだろう。情勢の変化によっては、中国が想定より早い段階でさらに多くの国際的責任を担うことが求められるかもしれない。その意味から言って、中国はチャンスをつかみ、自国の発展の道をしっかりと歩むと同時に、自らの発展の成果を周辺諸国や世界にいっそう行き渡らせるようにするべきである。
「北京週報日本語版」2016年12月16日
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