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秩序変動の中でも成果を上げた2016年の中国外交
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安剛 (本誌特約執筆者、盤古智庫学者) · 2016-12-16 |
タグ: 中国外交;一帯一路;政治 | ![]() 印刷 |
焦点となった2つの問題
2016年、アジアの2つの大きな出来事が中国外交にとって厳しい試練となった。
南中国海問題で、中国はフィリピン・アキノ政権が一方的に申し立てた仲裁手続き申請と米国の「航行の自由作戦」に対応するために、極めて大きな外交・司法・軍事的圧力にさらされた。幸いなことに、秋に入ると、情勢は中国側にとって有利に展開し始めた。フィリピンのドゥテルテ新政権は対外政策の重心を調整して中国寄りになり、米国との摩擦が始まって、中比関係は正常な発展を回復した。ASEAN方面も、海上協力に焦点を合わせて中国と共に発展を目指すという意向が示され、中国の南中国海問題における立場は明らかに改善された。
2016年、朝鮮は1月と9月に2度核実験を行った。朝鮮核計画の進展に刺激され、韓国のパク・クネ(朴槿恵)政権と米軍は半島緊急軍事準備を強化し、さらに7月には韓国にTHAAD(終末高高度防衛ミサイル)システム配備を決定した。日本も日本におけるTHAADシステム配備に同意する意向を示した。
中国政府は複雑に入り組んだ半島状勢を前にして、平和的で、公平妥当であり、各方面と意思疎通を図り、半島における戦乱発生に反対を唱え続け、各方面に再び対話交渉の軌道に戻るよう求める立場を堅持した。中国の偏りのない態度は最大限半島の均衡を守り、半島の衝突要因の噴出を抑制した。
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