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バス運転手・孟大鵬さんの大晦日
本誌記者・金知暁  ·   2021-02-07  ·  ソース:北京週報
タグ: バス;大晦日;社会
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毎朝3時半ごろ、孟大鵬さんはすでに起きて出勤の準備をしている。4時半ごろには会社に着き、タイムカードを押し、アルコール検査を受けて配車指令室に鍵を取りに行く。これらの準備が終わったのち、駐車場へ車の点検に向かう。バックミラーやブレーキ、自動決済機、座席などすべて確認したら、無線で配車指令室に連絡する。「41番路線の点検完了、いつでも発車できます」 

孟さんは北京公共交通集団のバス運転手で、41番路線の早番を担当している。2010年、昇進試験に受かり切符販売員から運転手になって以来、目覚まし時計なしで自然に起きられるようになり、毎朝60項目以上の点検を行うことも習慣になったという。

マスクをつけて秩序よく乗車するよう案内する孟大鵬さん(写真=北京公共交通集団第二客運支社の劉蕊さん提供)

孟さんには毎年春節(旧正月、今年は2月12日)の前日である大晦日に必ず行う儀式のようなものがある。それは早番担当でありながらも、最終バスの運転手に付き添って、1年の締めくくりとなる運行を一緒に終わらせることだ。 

「多くのバス運転手にとっては、最終バスの運行に同行しようがしまいがどうでもいいことかもしれませんし、会社から求められてもいませんが、私は必ず同行します。最後の1周を終えて駐車場に戻るのはいつも深夜0時過ぎになります。車を安全に止めて充電し、鍵を配車指令室に返して初めて、今年も無事に終わったなと言えます。その時、バスは1つ年を取り、私も北京公共交通集団でまた1年成長できたと感じるのです」と、孟さんは語る。 

孟さんはバスに対して特別な思い入れを抱いており、父親も遅番のバス運転手だったという。彼によると、物心がついた時から父親と家で一緒に大晦日を過ごした記憶がなく、毎年大晦日に母親は姉と自分を連れて、バス停の駐車場まで父親に食事を届けに行っていた。配車の指令が下ると、ごはんをちゃんと食べる間もなく、父親がすぐさまバスを出発させることもあった。そのため、孟さんの家では、本来なら大晦日に食べる年越し料理も春節の昼ごはんに変わった。父親が定年退職後、ようやく一家団欒の春節を過ごせるようになったが、何年も経たないうちに孟さんもバス運転手になった。「我が家の春節はいつも誰かがいませんが、みんなとっくに慣れてしまいました」と、孟さんは笑いながら言った。

北京公共交通集団で運転手を務めていたころの写真を息子に見せる孟大鵬さんの父親(写真=北京公共交通集団第二客運支社の劉蕊さん提供)

春節は家族が集まって楽しく過ごす祝日だが、孟さんにとって春節連休中は充分過ぎるほど注意を払わなければならないという。「41番路線は運行する途中に道を20回曲がり、64カ所の交差点と3つの立体交差橋を通り、そのうち2つのバス停の間には20のマンホールがあります」と、孟さんは自分が走る路線の特徴をはっきりと覚えている。交差点やよく渋滞する区間を通る時、坂道を走る時など、孟さんは面倒がることなく乗客に手すりを掴み、座るよう安全を呼びかける。なぜなら、「一言の注意が安全と事故の分かれ目になるかもしれない」と孟さんは考えているからだ。特に春節連休中は、お年寄りや子ども、家族連れで出かける乗客が増え、親戚や友達を訪ねて飲酒後乗車する人や、糖葫芦(中国の伝統的なお菓子)や風車を持った子どもも見られる。さらにお祝いムードに夢中な余り、防疫が常態化している中にもかかわらずマスクをつけ忘れる人がいるかもしれない。経験豊富な孟さんは春節連休中に起こりうる状況を想定し、あらかじめ準備をしている。

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