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北京市門頭溝区の山奥を通る路線バス
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本誌記者 梁宵 · 2019-05-23 |
タグ: バス;北京;社会 | 印刷 |
北京市西部の門頭溝区の山奥にある斎堂バスターミナルは、朝から晩まで人の行き来が盛んであり、ここからは市内と山地を結ぶ892番路線バスが約30分おきに発車している。また門頭溝区北部にある全ての建制村(省市級国家機関による承認を経て設置された村)を通る支線十数本がここから発車する。
門頭溝区は華北平原と蒙古高原の間に位置し、山々が幾重にも続いている。総面積は1455平方キロで、山地は98.5%を占める。
石景山区の地下鉄苹果園駅から斎堂バスターミナルまでの73キロは曲がりくねった山道が続き、3時間近くの道のりだ。朝出発した892番路線バスの運転手の張得輝さんと乗務員の王正さんが斎堂鎮に到着するのは正午近くだ。そして2人はターミナルの食堂で慌ただしく昼食をとる。
892番路線バスの運転手である張得輝さん(撮影・本誌記者梁宵)
短い休憩の後、今度は市内に向かって出発する。沿線の門頭溝区清水鎮小竜門村生まれの張さんは、北京公共交通集団での10年間の勤務を経て、その能力が認められ、2015年に山地を走る路線の運転手に選出された。張さんは地元の人々にサービスを提供できることを大変光栄に感じているという。
「現在山地の若者は基本的に都市で働いており、ここに残っているのは年配の方が多いです。彼らは車を運転できないので、バスへの需要が非常に大きいです」。北京公共交通集団第8客運分公司運営部の殷軍輝副部長は次のように語る。門頭溝区の山地に住む人々の公共交通機関への需要に応えるため、北京公共交通集団と門頭溝区の政府、交通主管部門が協力し合い、2018年末までに37本の路線が開通し、門頭溝区の全ての建制村にバスが通った。
これは山奥に住む人々の足になるという基本的な需要に応えただけでなく、山地に様々な発展をもたらしている。たとえばますます多くの周辺の村民が週末にバスで斎堂鎮の市へ行き、自家製の農産物を販売している。また門頭溝区の山地を通る892番路線バスの沿線は観光資源が豊かで、多くの観光客を引き付けている。
「今後、路線を改善し本数も増やし、山地の人々の公共交通機関への需要に応えていきます」と殷副部長は語った。
現在、892番路線バスは車両が58台、運転手と乗務員の班が50組、一日平均運行本数は164、総走行距離7123キロ、乗客数は延べ3600人近くに上るが、日々の運賃収入だけでは膨大な費用をとても賄いきれない。
村々を通る892番のような路線バスの運営モデルは通常のものとは異なり、路線が開通すると、現地政府が公共交通集団のサービスに出資する。しかし政府が資金を投入しても、実は全ての運営コストを賄いきれるわけではない。国有企業として、人々の公共交通機関への需要に応えることと現地政府の目標を達成することは完全に一致しており、この路線は人々にサービスを提供するためのものだ。
「北京週報日本語版」2019年5月23日
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