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北京1番路線バス「中国紅」の過去と現在
本誌記者 金知暁  ·   2019-05-07  ·  ソース:北京週報
タグ: バス;建国;社会
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北京公共交通集団1番路線バス運転手の常洪霞さん(写真左)と乗務員の郭艶さん(写真右)。(本誌記者の梁宵が撮影)

「ご乗車の皆さま、ただいま見えるのは天安門広場です。天安門広場は世界最大の都市中心にある広場です――皆さまのご参観を歓迎いたします」。 

親切丁寧で専門の観光ガイドのようなこの説明は、北京1番路線のバス乗務員・郭艶さんによる乗客のための車内アナウンスだ。1番路線のバスは24時間営業で、路線は全長27.1キロ、1950年の正式な運行開始から今日に至るまで北京で最も人々に親しまれている路線として知られる。 

北京市内の公共交通機関は1920年代の路面電車に端を発し、最初のバス路線は1935年に開通した。中華人民共和国の建国後、バスと路面電車は車両・路線数ともに増加の一方をたどり、北京の交通事情はみるみる改善され、1956年には中国初となる自主開発のトロリーバスの試作に成功。1966年に路面電車の運行が終わるとともに、トロリーバス全盛期の幕開けとなった。一方バスに目を向けると、1957年に中国の国産車「解放」を元に設計されたBK640型バスの試作が成功し、バスを輸入に頼る時代は終わりを告げ、1987年には北京を走る全てのバスの国産化が実現した。 

1番路線のバス運転手・常洪霞さんは北京のバスが目覚しいスピードで発展していく中で生まれ育ち、バスの運転手になることは彼女にとって子供の頃からの夢だった。1995年、そんなかねてからの憧れの気持ちを抱きつつバスの仕事に携わり始めた常さんだったが、ある話を聞いたことをきっかけとして、自分にこの仕事ができるだろうかと心の中で尻込みしてしまったという。「就職して1年目に先輩が私に言ったのは、冬場には目一杯重ね着をしなければいけないから、若い女性であってもおしゃれなんてしていられない。さもないと鼻や手の指、足の指が凍傷にかかってしまう、ということでした」。 

当時のバスはまだ空調設備が整えられておらず、冬ともなれば車内は屋外のように寒くなるため、バスの仕事に携わる人々の間では先輩から後輩へと受け継がれてきた暖を取るための秘訣があった。「靴下をはいた後にビニール袋をかぶせて、さらにもう1足厚めの靴下をはき、靴を買う時は大きめのサイズを選ぶんです。それでも凍傷になってしまうこともあって、寒さで泣きたくなるくらい、本当に辛いんですよ」。1990年代のバスでの出来事を思い返し、常さんは懐かしさに浸っているようだった。 

1997年、北京で初となる空調つきバスが運行を開始し、現在のように北京のすべてのバスで冷暖房が整備されてからは、バスの搭乗員は制服を着るようになり、かつてのように凍傷にかかる人もいなくなった。 

常さんにとって印象深い出来事は他にもある。「当時、冬の朝一番に運転手がエンジン部分を暖めるため、車前方に熱湯をかけていました。とても大きな鉄の桶を肩にかついで、4回もやるんです。その時に私が思ったのは、いつか運転手になったら自分も同じことをしなくてはいけないけれど、一体どうしたらいいんだろうということでした」。そう話しながら、常さんは恥ずかし気な笑顔を見せた。    

このようにエンジンを温める必要のある車は1976年に製造開発が成功したBK670ディーゼルエンジンバスで、1980年代から1990年代の中頃まで北京のバスの主力を占めていた。常さんは「あの当時を経験した人ならきっとみんな覚えているでしょうけど、バスはクラクションを鳴らさなくても、近くを走っていると『ドッドッドッ』という音が聞こえて、車の後ろは煙で真っ黒なんじゃないかなって気づいたものなんですよ。それだけじゃなく、バスをカーブさせるのにはハンドル操作に力が必要で、女性の運転手が運転する時には身体をかがめて腰に力を込め、それに腕の力を合わせてハンドルを操作しなければいけませんでしたが、今ではカーブしたいと思ったら腕1本動かすだけでできるようになりました」。 

「でも、私はとても幸せです。1999年、共和国建国50周年記念日の前に、圧縮天然ガスを燃料とする300台のBK6111CNG型バスが導入されて、2001年に私が乗務員から運転手になってからはもう毎朝エンジンを温める必要はなくなりました」と常さんは語る。

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