まさにこの2001年、北京公共交通総公司(現在の北京公共交通集団)は車両の発展について「車両スペースの大容量化、バスの高速化、クリーンで環境にやさしいバス」という目標を確固として掲げ、車両をより高性能なものへと入れ替える新たな時代を切り開くこととなった。1990年代末から2005年まで北京では最も頻繁に新型車両の導入が進められ、二階建てバスなどが相次いで登場し、2005年に全電動式のバスが、2007年にはハイブリッド仕様のバスの試験運行が始まった。2008年末の時点で北京のバスは4158台の天然ガス式バスを保有し、北京は天然ガス式バスの運用において世界一となった。
2017年から、1番路線のバスには「中国紅」という新たな名前がつけられた。赤、白、グレーの3色が調和するように彩られた外観の全長18メートルにおよぶ全電動式バスは、空気抵抗を減らしてエネルギーの浪費を抑えるだけでなく、PM2.5を自動的にろ過する装置や360度全方位をカバーする事故防止システムまでも搭載されている。長安街を走る「中国紅」は、現代中国の環境保護と科学技術を象徴するものとして、見る人々を魅了している。
路面電車から新エネルギー車まで、北京のバスは質的な飛躍を実現したが、その背景には北京の都市としての機能的な発展があり、道路交通システムは整備が進み人々の生活や仕事の方式も変わった。「かつては紙製の定期券しかありませんでしたが、2006年から全面的にICカードを使った乗車システムが取り入れられ、今日の乗客は携帯電話をタッチするかQRコードをスキャンするだけで乗ることもできます」と、乗務員歴16年の郭さんは語る。また20年以上のバス勤務経験を持つ常さんは、より多くの人々に交通手段としてバスを選んでもらえるよう努力し、そして先端技術を取り入れたバス車両が北京の青空を守り、北京の交通に大きく貢献することを願っている。
「北京週報日本語版」2019年5月7日