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10月の「スモッグ」多発、中国の大気汚染対策は後退したのか
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呂翎 · 2016-11-07 |
タグ: 大気汚染;スモッグ;社会 | 印刷 |
中国工程院院士(学士院会員)、環境科学専門家、清華大学教授の賀克斌氏は、こう説明する。「スモッグ汚染の発生は人間の発熱のようなもの。それまで熱が41度あったが、医者の処方した薬を飲んで、今では熱が39度になった。体温が下がっているし、熱の程度も弱まっている。しかし、それでも体はまだ発熱していると感じる。治療の方法は確かに正しいが、全快まではしばらく時間がかかる」。今のスモッグの状況もこれと似ている。
ここでもう一度10月のスモッグ発生の具体的な時間や地点を見てみよう。この時期に長い期間、広範囲で発生したスモッグには、地理的原因と気象的原因がある。
中国の華北地区、特に京津冀地区の気候や地理的環境の下では、毎年9、10月になると、北西からの寒気と南からの湿った空気がここでぶつかる状態が続く。この気象条件の下で生まれる、安定した、高湿で逆転層の状態により、大気中の粒子状物質が凝集・沈下しやすくなる。その上、華北平原は三方が山に囲まれ、南側だけが開けており、南部の汚染物質は風で北へ運ばれ、山の麓にたまってしまうのだ。
しかし、表から分かる通り、この3年で北京地区の大気質が好転しつつある。北京の住民には好転したとはっきり感じられないかもしれないが、「APECブルー」や「閲兵ブルー」のような青空を見たいのであれば、マスクを着用し、愚痴をこぼすだけでなく、力の及ぶ限り行動を変えていく必要がある。
「北京週報日本語版」2016年11月7日
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