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10月の「スモッグ」多発、中国の大気汚染対策は後退したのか
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呂翎 · 2016-11-07 |
タグ: 大気汚染;スモッグ;社会 | 印刷 |
中国の国慶節(中華人民共和国の建国記念日)は中国人が最も待ち望む連休の1つだ。この季節は、首都北京も最もすばらしい季節の秋を迎える。しかし、今年の国慶節連休には、北京市民はひどい天気に悩まされた。京津冀(北京市・天津市・河北省)地区では、9月末からスモッグが約1カ月も続き、市民たちは美しい秋が失われたと不満をこぼしている。
汚れた空気、マスク姿の歩行者という北京の街の風景は、中国が2013年に「大気十条」(「大気汚染防止行動計画」)を発表して以来のスモッグ防止対策が失敗したことを意味するのか。
実のところ、2015年、全国主要74都市の重度汚染と深刻汚染の日数は、2013年に比べそれぞれ24.9%、63.7%低下し、全国の大気質が全体的に改善されている。ではなぜ今年の10月に北京がすっかりスモッグに覆われるような事態が発生したのか。
まず、大気汚染防止対策は長期的かつ持続的な過程である。その期間中、根気と信念は不可欠のものだ。スモッグをもたらす様々な要素が長年累積した結果として初めて広範囲のスモッグが発生したように、大気におけるPM2.5など粒子状物質の一掃もやすやすとできることではない。
3年来、中央と地方各級政府は大気汚染防止措置を策定し、産業構造調整、自動車排気ガス規制、農作物のわら焼却の取り締まり、発電所の脱硫・脱硝などの面で数多くの取り組みを行ってきた。
一般炭のクリーンエネルギー代替改造の面では、今年、京津冀地区の50万戸余りの改造が完了し、一般炭を約150万トン代替し、主要汚染物質を約4万トン削減し、北京、天津、保定、廊坊の主要市街地区では一般炭が使用されなくなっている。火力発電設備の超低排出量改造の面では、9月末現在、河北省など7省・自治区・直轄市で合計1億3000万KWの改造が完了し、石炭燃焼量の40.5%を占め、河北省は他に先駆けて全面的な改造が完了した。「黄標車」(排ガス国家基準を満たしていない車両を示す黄色いラベルが貼られた車)や老朽化した車を累計81万4000台淘汰し、目標の68.1%を達成した。
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