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10月の「スモッグ」多発、中国の大気汚染対策は後退したのか
呂翎  ·   2016-11-07
タグ: 大気汚染;スモッグ;社会
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これらの施策のおかげで、中国のスモッグ汚染発生の程度、回数、ピーク時の濃度がいずれも低下しつつある。中国環境モニタリング総ステーションが発表した今年の中国華北地区の大気汚染防止に関するデータを見てみよう。

データによると、今年に入ってから10月19日までに、京津冀地区と周辺地区のPM2.5平均濃度は昨年同期比で14.3%低下した。そのうち、北京市は8.5%、天津市は7.8 %、河北省は15.7%、山東省は8.7%、山西省は2.0%、内蒙古自治区は13.5%それぞれ低下している。

注意すべきは、「スモッグを引き起こす要素」の新たな発生が減っているにもかかわらず、大気に累積した各種粒子状物質の「在庫」が広範囲のスモッグを引き起こしていることだ。

また、中国の専門家がスモッグの成因に対する研究を行った結果、次のことが分かった。揮発性有機化合物(VOC)などは複雑な化学反応で二次微粒子物質を生成することができ、スモッグ汚染を悪化させる。しかしこれまでこの要素は十分に重視されず、その排出量が依然として全国的に増えつつある。

そのため、時間がスモッグ防止対策における重要な要素になる。1952年、イギリスではさらにひどい「ロンドンスモッグ事件」が発生した。わずか2週間の内に、大気汚染による死亡者数は4000人を超えた。事件発生の前後、ロンドン地域では人々を悩ませる深刻な大気汚染が何回も発生していた。

イギリス政府は「大気清浄法」を公布し、約50年を費やして、3つの段階に分けてロンドンの大気質を改善してきた。その後のロンドンの大気質は1952年のそれと比べて大きく改善されているものの、EUの基準に達するまでの道のりは依然として険しい。

SO2と黒い煙が主な誘因だったロンドンスモッグと比べると、今日の中国の華北地区におけるPM2.5や窒素酸化物を主な成分とするスモッグ汚染の成因はより複雑で、中国の法律制度、環境保全技術、国民意識などの面でより効果的な汚染防止メカニズムの確立を必要としている。

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