本誌記者 繆暁陽
2009年2月22日、東南アジア諸国連合と中日韓(ASEANプラス3)財務相特別会議がタイ南部のプーケット島で開催された。
国際金融危機と経済成長の減速を前に、どのように協力を強化し、困難を乗り越えるかは、輸出主導型で経済成長してきた中日韓3国が共同で直面している課題だ。
3月7日、中国外交部の楊潔チ部長が中国の対外政策と対外関係について北京の人民大会堂で記者会見を開催した。楊潔チ氏は、「中日韓3国は投資・貿易の保護主義に反対する手本となるべきだ。東アジア3カ国が互いにさらなる市場を開拓していくことは、金融危機に対するアジアの人々の自信を奮い立たせることにつながる」と指摘した。
金融危機対応が中日韓の連携を強化
日本内閣府が2月16日に発表した2008年10~12月期の実質国内総生産(GDP)の成長率は年率換算で-12.7%となり、マイナス幅は第1次石油ショック時の74年1~3月期(年率-13.1%)以来の大きさを記録した。韓国中央銀行が1月28日に発表したデータによると、2008年度は韓国ウォンが対ドルで25.7%暴落し、その下落幅は1997年以来最大となり、韓国の輸入と対外直接投資の拡大に大きな影響を与えた。中国は2008年11月に4兆元の経済刺激策を発表し、一連の景気対策が市場に良いニュースをもたらした。これは日本と韓国の困難を乗り越える自信を強めた。
1999年に「ASEANプラス3」の枠組み内で、中日韓の非公式首脳朝食会が行われて以来、3カ国の首脳は今まですでに9回の会談を行った。中日韓の3首脳単独での会議を制度化したことは、3カ国関係が前進したことの客観的産物というだけでなく、3カ国が協力の強化を通じて、共同で発展するよう強い希望を持っていることをも示している。
2008年12月13日、中日韓3カ国が初めて「ASEANプラス3」の枠組み以外で、単独で開催した首脳会議が日本の福岡県で閉幕した。会議では、3カ国の首脳は主に国際金融危機への対応、各分野における協力の強化を検討し、また「3国間パートナーシップに関する共同声明」、「国際金融と経済に関する共同声明」、「3国間防災協力に関する共同声明」と「中日韓協力行動計画」に署名した。
中国の清華大学国際問題研究所の劉江永教授は、「多方面、多分野、多ルートのアジア地域の協力分野において、中日韓三国の首脳会議メカニズムの形成は歴史的必然だ。三カ国が歴史問題と社会制度の相違を越え、実務的な協力を強化することは、当地域さらに世界の平和と安定、経済の回復に極めて重要な意義を持っている」と述べた。
韓国の成均館大学政治外交学科の李煕玉教授は、「東北アジア地域は共通の挑戦と困難に直面しており、韓中日三カ国は協力して対応する必要がある。この挑戦と困難には今の国際金融危機だけでなく、従来とは異なる安全保障問題、環境問題、エネルギー問題も含まれている。これらの問題は1つの国家では決して解決できず、三カ国の協力を必要とする」と指摘した。
日本の早稲田大学政治経済学部の深川由起子教授は、「日中韓三カ国は必ず協力を強化しなければならない。中国が市場を提供し、日本が政策と技術を提供し、韓国が協力の枠組みを提供すれば、東北アジア地域の潜在力は依然として非常に大きい」と語った。
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