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苦境の中で改善の道を探る中日関係
時永明  ·   2017-12-28
タグ: 中日関係;安倍政権;政治
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通常、一国、特にいわゆる民主国家が、ライバルの政策が変化していない状況下でその外交政策を大きく変えるのは政権交代後のことである。一般的に、人が自己革命を行うのは非常に難しいことだ。現代国家がおしなべて政権の定期的なリーダー交代を行う主な目的の1つは、こうした自己革命の難しさを解決するためである。今、安倍首相はこの難しさに直面している。 

  「安倍首相の苦境」を解決するには、3つの問題を解決する必要がある。第一に、安倍首相は自身の外交政策と中日関係発展の基本理念が何かをはっきりと説明し、理論上いったい何が「中日友好」なのかという問題を解決しなければならない。第二に、安倍首相が取っている右翼路線が日本国内の世論環境に極めて深刻な影響を及ぼしている点は、避けて通ることのできない問題だ。今、日本メディアはほとんど「中日友好」について語ることができない。今年年末、東京の上野動物園で生まれたパンダの「シャンシャン(香香)」が公開された。動物園は大きな収益を上げ、メディアもさんざん騒ぎ立てているが、この間「中日友好」という言葉は聞かれなかった。逆に、一部のテレビ局はこの機会に「中国のパンダ外交」を取り上げ、中国がパンダを政治の道具にしていることをそれとなく批判した。こうした極端に理性を欠いたメディアの態度は、明らかに将来の中日関係改善にとって極めて大きな障害になる。第三に、安倍首相は自身がここ数年中国に対して取ってきた対立外交が残した構造的障害を国際的に是正する必要がある。しかし実際には、2017年秋に安倍首相はトランプ大統領を引き入れて共に「インド太平洋戦略」を打ち出し、以前打ち出した「菱形構想」を「ダイヤモンド構想」と呼び変え、中国を念頭に置いた米日印豪4カ国協力メカニズムを復活させた。年末に共同通信が「安倍首相は、自身が掲げる対外政策『自由で開かれたインド太平洋戦略』と中国主導の現代版シルクロード構想『一帯一路』と連携させる形で推進する意向を固めた」といったニュースを報道しているが、結局のところ、安倍首相は国際社会に対し公の場で正式にこうした発言を行ってはない。もし本当に中日関係を改善したいのであれば、安倍首相は理論上自身の外交政策をはっきりと説明するだけでなく、適切な行動を取るべきである。 

総じて言うと、中日関係は安倍首相が招いた戦略的苦境に陥っている。今、安倍首相が両国関係を改善したいのであれば、それは歓迎すべきことだ。しかし中日間の苦境を解決するには、安倍首相がまず勇気を出して自身の苦境を解決する必要がある。 

(時永明・中国国際問題研究院アジア太平洋地域問題副研究員、本誌特約執筆者) 

「北京週報日本語版」2017年12月28日 

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