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苦境の中で改善の道を探る中日関係
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時永明 · 2017-12-28 |
タグ: 中日関係;安倍政権;政治 | 印刷 |
習近平国家主席は11月11日にベトナム・ダナンで、日本の安倍晋三首相と会談した。
ここ数年、中日関係は安倍首相の対中強硬政策によって対立局面に陥っていた。しかし2017年は、安倍首相が突然対中姿勢を軟化させたために持ち直す兆しが見られ、双方は2018年には好転するのではないかと一定の期待を抱いている。安倍首相が対中政策を調整したのは原因があってのことだが、今のところ、この調整は依然として極めて限定的だ。安倍政権は発足以来、中日関係の発展にとって多くのシステミックな障害を生んできた。そのため、本当に中日関係を正しい軌道に乗せるには、安倍政権が十分な誠意を示し、適切に努力することが必要だ。
安倍首相はなぜ対中政策を調整したのか?
中日関係は2016年にはまだきな臭さが漂っていた。当時日本は「安全保障関連法」が施行され始め、安倍首相は将来の集団的自衛権行使に向けて国際的枠組みの構築を急いでいたため、軍事手段と政治手段を用いて南中国海で中国と対立する構えを見せた。それと同時に、東中国海でも、日本は宮古海峡国際空域を正常に通過していた中国軍機に対してしばしば危険な妨害行為を行い、西側メディアが「日中間に偶発的武力衝突が起こる危険が日増しに増大」と報道する事態となった。
しかし、安全保障問題での性急な動きも、安倍首相にそれほど実利をもたらさなかった。それどころか、安倍首相は中国対応の面で壁にぶつかったと同時に、他の面でも挫折続きとなった。まず、ロシアを取り込んで中ロ関係を引き裂こうとする企みが失敗。次に、アジア太平洋の経済・安全保障戦略でも、トランプ氏に阻まれた。トランプ氏は安全保障政策というカードで貿易利益を引き換えにする態度を示す一方で、環太平洋経済連携協定(TPP)から離脱する意向を示した。安倍首相はトランプ氏を思いとどまらせようと、基本的な礼儀すら顧みずに、在任中だったオバマ大統領(当時)をほったらかしにしてトランプ氏に会いに行った。しかし、トランプ氏はそれでも結局は大統領就任後に米国のTPP離脱を正式に宣言した。それと同時に、トランプ大統領は「アジア太平洋リバランス」に二度と触れなかったばかりか、中米間が接近し始めた。こうした状況は、見放されてしまうのではないかという懸念を日本に再び抱かせることになった。
外交で挫折したと同時に、安倍首相の国内政治上の立場もより困難なものになった。まず、後継者にしようとしていた右翼の稲田朋美防衛相(当時)が自衛隊内部管理処理上の言行が不適切だったために、内閣改造を行わなければならなくなった。さらにその後は自身が連続して2件の「学園事件」スキャンダルに見舞われ、世論調査で支持率が暴落する苦境に陥った。
安倍首相が内外で苦境に陥った反面、安倍首相が外交戦略上ライバルと位置付けている中国を見てみると、日本や一部の西側の人々が考えていたような経済崩壊が起こらなかったばかりか、かえって着実に成長している。しかも米日が一貫して非難していた「一帯一路」(「シルクロード経済ベルト」と「21世紀海のシルクロード」)構想もますます多くの国から歓迎され、アジアインフラ投資銀行(AIIB)には60近くの国・地域が創設メンバーとして加わった。米国ですら態度を変化させ始め、「米国は『一帯一路』の重要性を認識している」との意を示している。5月にシンガポールで行われた創設メンバー会議では、AIIBの法定資本を当初の登記資本金500億ドルの2倍に当たる1000億ドルとすることが決まった。
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