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一方的仲裁は南中国海をめぐる中比の争いを解決する合法的道ではない
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· 2016-06-12 |
タグ: 南中国海;海洋法;政治 | 印刷 |
中華人民共和国外交部(外務省)は8日、南中国海をめぐるフィリピンとの争いについて、二国間交渉による解決を堅持する声明を発表。仲裁を受け入れず、これに参加せず、二国間交渉による解決を堅持する立場を重ねて表明した。声明は法に基づき、南中国海をめぐる中比の争いを解決する唯一の正しい選択肢を明らかにした。
フィリピンは2013年1月に南中国海をめぐる中国との争いについて国連海洋法条約附属書7に基づく仲裁を申し立てて以来、中国との交渉による解決の扉を一方的に閉ざし、一連の挑発的行動を取って、中比関係を悪化させるとともに、南中国海地域の安定を損なってきた。
交渉と協議による解決は中比両国間の明確な共通認識だ。中国がフィリピンを含むASEAN諸国と2002年に調印した「南中国海における関係国の行動宣言」(DOC)、2011年9月1日の中比共同声明はこの点を判定している。だがフィリピンは2014年3月30日に提出した訴状でDOCに拘束力はなく、DOC第4節を国連海洋法条約第281条第1項目の指す他の紛争解決手続きを排除する「合意」と見なすことはできないとした。
DOCはフィリピンの言うように、拘束力のない政治的約束なのだろうか?1969年の「条約法に関するウィーン条約」第1条第1項によれば、条約とは、国家間において文書の形式により締結され、国際法によつて規律される国際的合意であり、単一の文書によるものであるか関連する2つ以上の文書によるものであるかを問わず、また、名称のいかんを問わない。従って、国際文書の名称が条約、協定、議定書、宣言のいずれであれ、国際法上同じ効力を持つ。国際司法裁判所は「カタール・ バーレーン間の海洋境界画定及び領土問題事件」において、たとえ会議記録であれ、法的義務が含まれてさえいれば、法的拘束力を持つ国際合意と見なすことができると指摘した。DOCは相応の権限を持つ調印者が国を代表して調印したものであり、各国が広く認められた国際法の原則に基づき争いを平和的に解決する合意だ。
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