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日本はなぜG7外相会合に南中国海問題を持ち出すのか
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· 2016-04-11 |
タグ: G7;南中国海;政治 | 印刷 |
先進7カ国(G7)は4月10日から11日にかけて広島で外相会合を開催している。開催国である日本政府は会議開催前から、「外相会合で南中国海問題について重点的に議論するよう働きかける」との意向を示していた。
周知の通り、日本は南中国海問題の当事国ではなく、この問題については本来言行を慎むべきであるはずなのに、ここ数年絶えず南中国海問題について煽り立て、G7の枠組み内でも動きが絶えない。
では、日本はなぜG7の場で南中国海問題を取り上げることに固執するのだろうか。その背後にはどのような政治的・外交的策略が隠されているのか。日本の強引な議題設定に対し、他のG7参加国は日本の顔を立てるのか、そしてどの程度日本を支持するのか。
隠された意図
今回議長国に当たっている日本は、今年一連のG7関連会合を開催する。外部では、「抵抗には遭うだろうが、日本政府はあくまでも南中国海問題をG7外相会合声明、ないしはG7サミット宣言に盛り込もうとするだろう」との推測が早くからなされていた。
上海交通大学日本研究センター主任の王少普氏は、「日本政府がG7外相会合で南中国海問題を議論することにこだわる背後には、いくつもの意図が隠れている」との見方を示している。
王氏によれば、日本はここ数年、米国のアジア太平洋リバランス戦略に積極的に適応し、中国に対するいわゆる「抑止力」を高めようとし、そのために集団的自衛権行使を可能にするなど国内で一連の措置を講じてきた。こうした戦略の下で、日本はこのところ積極的に南中国海問題に介入し、中国を抑制しようとしている。
王氏は、「G7の場で南中国海問題を取り上げることで、日本当局は中国と欧州主要国との間に対立を生じさせ、双方の良好な関係構築に水を差し、邪魔しようとしている」と指摘する。
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