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于強氏 中日を題材とし日本の読者を感動させた長編小説
劉幸宇  ·   2018-12-13  ·  ソース:北京週報
タグ: 小説;文学;中日交流
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今年は中日平和友好条約締結40周年である。今思い出されるのは、両国の文化交流発展に真剣にコツコツと取り組み続けてきた中国作家協会会員の于強氏と彼が執筆した中日を題材とする5編の長編小説だ。

于強氏は鋭い視点で以て、長期にわたり従事していた外事や旅先での出来事と、何度も日本を訪れた際の経験を活かして感動的な文学作品を生み出してきた。その作品は中日両国で出版され、多くの日本人読者を感動させた。日本人読者は于強氏の著作を「私の心の書」、「日中友好のガイドブック」、「日中友好の辞書」、「日中友好人士の必読書」などと呼んでいる。

1984年、于強氏は安徽省馬鞍山市外事弁公室の主任を務めていた際、大連に残された日本人の戦争孤児である古蓮雲さんのためにあちこち奔走した。その甲斐あって彼女と夫は家と仕事を持ち、子供も順調に学校に通い就職することができた。古蓮雲さんは心から感謝し、于強氏を家族のように慕い、4歳の時に日本の両親に中国に遺棄され、中国の養母が苦労して自分を育ててくれたという不遇な人生経験を彼に話した。于強氏は彼女の境遇を基に日本人の戦争孤児を題材とした長編小説『風媒花(邦題:風媒花―流れる星の下で)』を書き上げ、この作品は1987年に日本の光人社から出版された。中国語版の表紙に書かれたタイトルの字は当時中日友好協会会長であった孫平化氏によるものだ。

『朝日新聞』や『毎日新聞』など十数社の主要メディアがこの小説を紹介した。日本の著名な小説誌『小説城』は「中国人が戦争孤児を題材に小説を書いたのは恐らく本作が初めてだ」とし、詩誌『桃花鳥』は「日本の戦争孤児の悲劇を詳細に表現し、中日が二度と戦争を起こしてはならないと切に願う史実的な作品である」と評した。

于強氏の元には日本の国会議員、在上海総領事、文学界の権威である司馬遼太郎氏など多くの読者から手紙が届いた。神奈川県の保仙裕博さんは「この本を読んで非常に感動し、日本が中国を侵略した罪についてようやくわかりました」との、また群馬県の中島静子さんは「二度とこのような悲劇を起こさないよう、改めて戦争が残した傷跡について考え直すべきだと思いました」との意見を寄せた。

当時中国大陸部の作家が書いた小説が国外で出版されることは極めて珍しかった。中国改革開放の大きな波は于強氏を激励し、彼は再度自分の文学作品を国外に出すことを志した。

于強氏は再び外事や観光事業に従事する中で出会った人や起こった出来事を基に、長編小説『翰墨情縁(邦題:李海天の書法)』を書き下ろし、これは中日で同時出版された 

本書は次のような内容だ。日本軍が中国を侵略していた時期、江南地方に駐屯していた一人の日本兵が現地で有名な書道家であった李海天の書法に夢中になり、どうしてもそれを手に入れたいと思った。しかし李海天の妻は日本軍の砲火により亡くなっており、彼は絶対に日本人には作品を売らないと誓っていた。戦争終結後この日本人は帰国したが、李海天の作品を忘れることができずにいた。そして中国の対外開放後に何度も中国を訪れ、紆余曲折を経てついに願いが叶った。

日本語版は日本図書館協会の第1946回選定図書となり、また帯には「日中国交正常化20周年記念出版」と記載された。

群馬県に住む芳賀さんは于強氏に宛てて「私達はあなたの本に深く感動し、ほとんど涙を流しながら読みました」との感想を送った。彼女はまた日本の『上毛新聞』にも「李海天のように心身に傷を負った人が多いのかも知れませんが、過去の不幸を認識し相互交流を強化することが友好的な両国関係発展の絆であると信じています」との意見を発表している。

馬鞍山市の王明さんは『風媒花』の長編連続放送を聞いた後に于強氏を訪ね、涙ながらに悲惨な境遇を語り、40年以上も探し続けている日本人の元夫で息子の宋宗志さんの父親を探す手助けをしてほしいとお願いした。

王さんは若い頃、馬鞍山の鉱山で働く日本人の技師と結婚し、息子の宗志さんを産んだ。しかし日本の敗戦後、夫は雲のごとく日本に戻ってしまった。彼女は何十年も消息不明の夫のことを想い続けて苦しみ、日々彼の帰りを待ち望んだ。その後于強氏は努力の末、長編小説『異国未了情(邦題:異国未了情―夫よ、日本の何処に)』を書き上げ中日同時出版に至った。

群馬県の土谷麗さんは手紙の中でこう語っている。「私は涙を流しながら先生の傑作『異国未了情』を読みました。この大作の中で私は多くの知識を学んだだけではなく、筆者の日中両国間の永続的な平和を待ち望む心を感じました」。

フランスの中国語新聞紙『欧州時報』は「軍国主義が残した傷跡は根深く、『異国未了情』は日本の読者を感動させた」と評した。

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