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新型肺炎で世界の産業チェーンにおける中国の位置づけは変わるか
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· 2020-04-15 · ソース:人民網 |
タグ: 産業チェーン;新型肺炎;経済 | 印刷 |
最近、「米国が自国企業に中国にある工場を撤退させるよう要求し、米政府が撤退にかかる費用を100%負担する」という情報がインターネットの中で悪意をもって拡散され、一部の人々の間では新型コロナウイルスによる肺炎が発生して「外資が中国から撤退する」のではないかとの懸念が広がる。しかし実際のところ、こうした情報を詳しく検討するとすぐにわかるのは、ここから発生した「外資が中国から撤退する」ことへの過剰な心配はまったく必要がないということだ。このたくさんの個人メディアで確かに言及されている情報は、実際には米国家経済会議(NEC)のクドロー委員長がある番組の中で述べた個人的な見解を拡大しただけのものだ。クドロー氏の発言はすでに決まった米国の政策ではなく、「米国の製造業の中国への依存をどのようにして軽減するか」について述べた個人的な意見に過ぎない。(文:欒雨石・海外網論説員。「海外網」に掲載)
中国国際経済交流委員会学術委員会の王軍委員は、「クドロー氏は一部の『中米断絶論』の支持者の意見や傾向を代弁しているだけのことで、米国企業の一般的な見方ではなく、普遍性を備えた企業の方針決定との隔たりは非常に大きい」と述べた。
米経済紙「フォーブス」は記事の中で、「米国企業を移転させるのは、『各種設備とオフィス家具をコンテナに積み込んで、太平洋の反対側まで運ぶ』といった単純なことではない。これはつまり、中国の低コストによって得られた利益が、生産を移転する中ですべて失われてしまうということ、そのために数百万ドル(1ドルは約107.5円)の経費がかかるということを意味する」と指摘した。
このたびの新型肺炎がグローバルな危機であること、過去数十年間に及ぶグローバル化の深化の時期にも人類の社会が経験したことのない新たな挑戦であることに疑いの余地はない。この外部で発生した変数による突然の打撃の中、グローバル供給チェーンは短期的に深刻な打撃を受け、一部の国はすぐに対応できず、供給チェーンが逼迫したことはごく自然な反応だ。こうして産業チェーンが中国から移転すると不安に思うことは人情として当たり前のことだ。しかし感染症は数十年にわたって構築されてきたグローバル供給チェーンの基本的構造を変えられるだろうか。市場が資源配分を決定する経済の法則が変化するだろうか。多くの主要エコノミーが自身も長年利益を得てきた国際経済貿易協力システムを放棄して、別のシステムを打ち立てようとするだろうか。
王氏は、「特にはっきりさせておかなければならないのは、各国の企業が中国から撤退するかどうかは全面的に利益を考慮して初めて決定できることであり、感染症がもたらした短期的な打撃を考えるだけでなく、中長期的な国家間の関係性や市場の変動といった要因も考慮しなければならず、非常に複雑なものであるということだ。政府が誘導するかもしれないが、企業に代わって方針を決定することはないし、決定することはできない。グローバル産業チェーンにおける中国の重要な位置づけは感染症の影響で根本的に変化することはない」と述べ、次の4点を指摘した。
第一に、中国における総合的生産コストには競争上の優位性が十分に備わる。豊富な資源の優位性だけでなく、中国の技術の進歩、大規模の経済、産業クラスターはいずれも総合的コストの引き下げを後押しする。供給チェーンを大規模に、長期にわたって中国から外部へ移転しようとしても、十分な原動力をもっていない。
第二に、中国には世界で唯一の整った供給システムがある。1つの国の中で研究、開発、設計、生産、マーケティングなど商業化のすべてのプロセスを完了できる。これは世界規模でみてもまれなことだ。少数の産業供給チェーンが外部へ移転することはあるかもしれないが、供給チェーン全体の調整には長い時間がかかり、難度は高く、コストも高く、適切な移転先を探すことも難しい。
第三に、中国には極めて大規模な国内市場と巨大な消費高度化のポテンシャルがある。ここ数年間も、中国市場は多国籍企業に対して強い誘致力をもち続け、多国籍企業は中国現地での生産・販売モデルを強化し続けた。
第四に、中国にはますます注目を集める研究開発能力とイノベーション能力がある。中国の人口ボーナスは徐々に消滅しているが、エンジニアのボーナスが徐々に発揮されるようになってきた。人口高齢化の問題に直面しても、中国のミドル・ハイクラスの技術力の高い労働力人口は急速に増加し続け、毎年800万人を超える大学新卒生の規模は世界に誇れるもので、研究開発の能力がますます向上している。
世界的な感染拡大という背景の下、中国はすでに国内の感染状況を効果的に抑制し、生産と生活の秩序が急速に回復している。中国は他国と比較すれば世界で生産能力が最も安定した地域であり、現時点で世界の製造業の避難港となっている。このことは中国のガバナンス能力をよりよく証明するものであり、より多くの投資家に産業チェーンを中国に配置することがより安全であると認識させるものだ。こうした状況の中で、中国はいっそう改革開放の拡大を堅持し、ビジネス環境の最適化を加速し、グローバル産業チェーンとハイレベルの海外資本に対する誘致力を高め、グローバル産業チェーンにおける中国のさらに明確な優位性を構築する必要がある。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年4月15日
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