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中国の産業チェーンの大規模な海外移転はあるのか? 4つの疑問に向き合い中国経済を見通す(3)
  ·   2019-11-20  ·  ソース:人民網
タグ: 産業チェーン;企業;経済
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今年に入ってから、世界を取り巻く環境は日増しに複雑で厳しくなっており、世界経済と貿易も伸びが鈍化し、中国経済はさまざまな挑戦と困難に直面し、下ぶれ圧力が今もなお大きい。10月中旬、国家統計局が今年第3四半期の国民経済運営の主要指標を発表し、これが中国内外の世論に中国マクロ経済の先行きに対する高い注目を集めた。世論の中には、理性的な分析や評価もあれば、検討や議論が待たれるものもある。道理というものは論争を経なければはっきりとは見えてこないものだ。次の4つの問題をはっきりさせることは、目下の中国マクロ経済をよりよく理解する上で必ずやプラスになるだろう。「経済日報」が伝えた。

産業チェーンの大規模な海外移転はあるのか? 

世論の声の中には、中米貿易摩擦の影響により、年初以来、中国企業の多くが投資を控えるようになり、中国の産業チェーンと供給チェーンは大規模な海外移転を進めており、中国の製造業はもう立ちゆかないという見方がある。

実際、世界的な産業分業とグローバル産業配置について踏み込んだ調整を行ってみると、要素価格の変化を踏まえ、人件費などのコストが比較的安価な場所へと移転する企業もあった。企業自身の発展戦略ニーズを踏まえて、国際市場を主体的かつ積極的に開拓する企業もあった。もちろん、経済貿易摩擦の影響を回避するために他国へ移転する企業も少数だがある。しかし全体としてみれば、中国以外の国に行って工場を建設したり経営活動を行ったりするのは、いずれも当たり前の現象だといえる。

「大規模な海外移転」という言い方は穏やかでない。企業の海外移転においては、さまざまな要因を検討する必要があるからだ。たとえば産業配置の能力が十分かどうかといった点だ。製造業企業は海外移転を準備する過程で、産業チェーン全体の代替コストを検討しなければならない。中国の工業製品約200種類は生産量が世界一で、一部の産業は世界の先端レベルに到達あるいは近づいており、中国は世界一の製造業大国で、産業配置の能力も強大だ。製造業企業が中国の産業配置を放棄した場合に失う機会コストは極めて大きいといえる。

またビジネス環境が非常に優れているかどうかという点も検討が必要となる。これは市場主体が経営活動を展開する上で必ず検討しなければならない重要な要素だ。中国ではこのほど「ビジネス環境最適化条例」が公布され、制度レベルでビジネス環境の最適化により有力な保障が与えられている。ビジネス環境最適化の成果を見ると、企業が中国で登録登記する際にかかっていた時間が大幅に短縮され、今では企業設立までにかかる日数は平均で5日間に縮まった。年初以来、中国で新たに登記登録した企業の数は大幅に増加し、一日あたり平均1万9900社が新たに登記登録している。中国のビジネス環境世界ランキングは昨年に78位から46位に上昇したのに続き、今年もさらに31位に上昇し、10大エコノミーの中で2年連続で上昇幅の大きかったエコノミーになった。

さらに人材の質が真に標準に達しているかどうかも検討しなければならない。企業が中国から海外移転するには、移転先目的地の産業の人材の質が今の中国の人材のレベルに達しているかどうかを詳細に検討する必要がある。中国の人口ボーナスは人材ボーナスへと急速に転換しつつあり、高等教育を受けて専門的技能を備えた質の高い人材が1億7千万人以上おり、大学卒業生は毎年800万人を超える。目的地の国の労働力コストが中国より低くても、その労働効率、組織力、規律性が中国の産業界で働く人々の水準に達しているかどうかはわからない。

こうした要因に関して、中国には自信がある。言い換えれば、産業チェーンが中国から大規模に海外移転するための条件は整っていないということだ。現在の企業の海外移転の状況が、中国の経済成長、産業バージョンアップ、労働や雇用などに与える影響は全体としてみればコントロール可能なものだといえる。(編集KS)

「人民網日本語版」2019年11月19日 

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