日本政府の報告によれば、このたびの景気回復は今年1月で74ヶ月に達するとしている。日本の茂木敏充・経済再生担当大臣は閣議後の記者会見で、「このたびの景気回復の主な原動力は雇用環境の改善、企業の収益増加が過去最高の水準に達したことにある」と発言。通常なら、政府はいくつかの経済指標を発表するだけで、景況判断は内閣府が大学教授や経済専門家で構成される研究会に委託し、企業の生産状況、自動車や家電などの販売状況、企業の経営業績の9つの指標に基づいて総合的に判断し、長期的な研究論証が必要とされてきた。結果の発表が1年以上ずれ込むこともあった。今回のように日本政府高官が検討の結果を研究会よりも先に発表するのは、宣伝拡大の政治的意図があると考えられている。
日本はこれまで3回の長期景気回復を経験してきた。1回目は1965年11月から70年7月までの57ヶ月間、2回目は86年12月〜91年2月の51ヶ月間で、典型的なバブル経済膨張期にあたり、3回目が02年2月〜08年2月の73ヶ月間で、IT(情報技術)経済の発展期だった。それに対して、現在の景気回復周期は過去3回とは明らかに違いがある。60年代は日本の高度成長期で、GDPの平均成長率は11.5%に上り、80年代中後期の日本は中高速成長期に入り、このときのGDP平均成長率は5.3%だった。21世紀初頭のIT成長期のGDP(国内総生産)平均成長率は1.6%、現在の景気回復における昨年9月までの平均成長率はわずか1.2%で、日本国民の多くはこのたびの景気回復を「実感のともなわない経済回復」と呼んでいる。